菅野智之が8回1失点、大勢が締めて広島に快勝
プロ野球セ・リーグの巨人が28日、4年ぶり39回目の優勝を果たした。優勝マジック1で迎えたこの日、マツダスタジアムで行われた広島戦に8-1で快勝。原辰徳監督時代の2020年以来4年ぶりに、阿部慎之助監督が就任1年目でペナントを奪回した。
4回に1点ずつを取り合って迎えた6回、巨人が主砲・岡本和真のタイムリー二塁打で勝ち越すと、7回にも岡本や増田大輝が二塁打を放って広島を突き放した。
9回にも坂本勇人のタイムリーなどで2点を追加。先発の菅野智之が8回6安打1失点と力投し、9回は高梨雄平が2死を取った後、大勢が最後を締めくくった。
ターニングポイントは9・11広島戦と9・23阪神戦
1年目の阿部巨人は決して順風満帆の船出ではなかった。初めて首位に立ったのは5月11日。その後も阪神、広島、DeNAと激しく上位を争い、長らく混戦が続いた。
ターニングポイントとなったのが、広島との首位攻防第2戦(マツダスタジアム)が行われた9月11日。0-2とリードされて迎えた9回、広島のクローザー・栗林良吏の乱調につけ込み、一挙9得点で逆転勝ちした。優勝争いでまず広島が脱落した。
そして、9月22、23日に甲子園で行われた2位・阪神との天王山。初戦を落とした首位・巨人は連敗ならゲーム差なしに迫られる大ピンチだったが、2戦目は1-0で接戦をものにした。
昨年の覇者を蹴落とし、その後は優勝へ一直線。史上空前の大混戦を制した。
先制した試合はリーグ1位の58勝、勝率.795
今季の巨人を象徴するデータがある。下の通り、先制した試合は58勝、勝率.795ともリーグ1位なのだ。
4勝に終わった昨季から見事に復活を遂げた菅野智之、3年連続12勝の戸郷翔征を両輪とし、9勝の山﨑伊織、8勝の井上温大ら若手先発陣が成長。高梨雄平、船迫大雅、泉圭輔、西舘勇陽、バルドナード、ケラーらの中継ぎ陣がクローザーの大勢につないでリードを守り切った。
1点差ゲームの勝率もリーグ2位の.556、5回終了時にリードしている試合はリーグ最多の52勝を挙げているのも投手陣の踏ん張りによるところが大きい。
阿部慎之助監督は就任時から「守り勝つ野球」を掲げ、チーム防御率は阪神に次ぐ2.49。リーグ5位だった昨季の3.39から大幅に引き上げた。
さらに打撃面でも昨季93だった犠打が120に増加。盗塁も昨季の48から59に増えており、小技や足も絡めることで接戦をものにした。
次に狙うは日本一。日本シリーズでは日本ハムを4勝2敗で下した2012年以来、優勝から遠ざかっている。1年目からリーグ制覇を果たした阿部巨人が一気に頂点まで上り詰めるか注目だ。
※成績は2024年9月27日終了時点
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