22打数11安打3本塁打でwRAA6.8の長岡秀樹
先週のセ・リーグは大きな勝ち越し、負け越しがなく、順位の変動もなかった。広島は3勝2敗1分けで首位キープ。2位・巨人も3勝2敗1分けだったが、後半戦8勝1敗と好スタートを切った3位・阪神は2勝4敗と勢いが止まった。
SPAIAでは8月6日から11日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
セ・リーグトップのwRAA6.8をマークしたのはヤクルトの長岡秀樹。11日のDeNA戦で5号ソロ、6号2ランを含む3安打4打点をマークするなど、6試合で計22打数11安打の打率5割、3本塁打の大暴れだった。
八千代松陰高から入団5年目の22歳。2022年に139試合、2023年も135試合に出場したが、今季はここまでリーグ7位の打率.288と成長の跡を示している。強力クリーンアップの前を打つ1番、あるいは2番としてチームへの貢献度は大きい。
中日・石川昂弥、広島・坂倉将吾も貢献度大
3勝2敗1分けだったDeNAは神奈川大から入団3年目の梶原昂希がwRAA5.2と絶好調だ。9日のヤクルト戦で1号2ランを含む2安打、10日は6打数5安打2打点をマークするなど、22打数12安打の打率.545、1本塁打。後半戦1勝8敗スタートと出だしでつまずいたチームの立て直しに貢献している。
中日は石川昂弥がwRAA3.4でチームトップだった。7月17日に登録抹消されていたが、8月6日に一軍復帰してから23打数9安打の打率.391、1本塁打。9日の巨人戦では3安打猛打賞を放って巨人のルーキー又木鉄平をノックアウトするなど二軍調整が奏功している。
首位・広島は坂倉将吾が23打数10安打の打率.435、1本塁打をマーク。9日の阪神戦では5打数5安打を放つなどチームトップのwRAA3.1をマークした。捕手と一塁手の併用で守備の負担も小さくないが、攻守でチームに貢献している。
阪神・前川右京も奮闘、巨人・坂本勇人は復調気配
阪神は智弁学園高から入団3年目のスラッガー、前川右京が奮闘中だ。先週は16打数6安打の打率.375で、チームトップのwRAA2.0だった。11日の広島戦では3号ソロを放つなど、実戦を重ねながら着実にステップアップしている。
巨人は坂本勇人がwRAA1.6でチームトップ。二軍落ちも経験するなど厳しいシーズンとなっているが、先週は7日の広島戦で3安打猛打賞など18打数7安打の打率.389をマークし、復調気配を漂わせている。
パリオリンピック開催中は相対的にプロ野球の注目度が下がっていたが、2024年シーズンはここからが正念場。混戦が続くセ・リーグから抜け出すのはどのチームだろうか。
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