交流戦初戦は甲子園で新庄ハム
阪神は28日の交流戦初戦で日本ハムを甲子園に迎える。ここまで首位とはいえ、25勝19敗4分けで貯金6、2位・広島に0.5差まで迫られており、安穏としていられる状況ではない。
貯金だけで言えば、パ・リーグ2位の日本ハムの方が25勝18敗2分けで1個多いくらいだ。阪神OBでもある新庄剛志監督との対戦は注目度が高いだけに、負けるとダメージも大きい。まずは初戦を取りたいだろう。
岡田彰布監督の悩みの種のひとつが「3番問題」。1番・近本光司、2番・中野拓夢、4番・大山悠輔はほぼ固定しているが、その間を打つ3番がもうひとつハマらない。今季の打順別打率は以下の通りとなっている。
3番は打率.213、近本光司も3番では打率.160
1番が打率.281、2番が.256とまずまずの数字を残しているのに対し、3番の打率は.213と低い。4番も.210と低いが、これはほぼ固定されている大山の復調待ちと考えると、やはり3番がネックになっている。
3番として最も多くの試合で起用されているのが2年目の森下翔太。3番では125打数29安打の打率.232、4本塁打を放っており、シーズン通算159打数38安打の打率.239、5本塁打から見ても、持てる力は発揮していると言える。
しかし、岡田監督はまだ2年目と経験の浅いパワーヒッターに、3番としては物足りなさを感じるのだろう。3番を固定できないもどかしさを口にしている。
自身も現役時代は何度も3番を打った。フィルダーやパリッシュ、オマリーといった強打の4番につなぐ意識や状況に応じたチーム打撃などその難しさは十分に分かっている。
不動の切り込み隊長・近本光司を一時、3番に据えたのもその辺りに期待してのことだろう。5月12日のDeNA戦から6試合連続3番でスタメン起用したが、今季ここまで打率.280を打っている強打者が、3番では25打数4安打の打率.160と別人のような成績に終わっている。
慣れない打順で勝手が違ったのか、余計なプレッシャーがかかったのか、たまたま調子が悪かったのか定かではない。俊足で併殺が少ない点は3番向きとも思えるが、1番で結果を残している以上、変えにくいことは確かだ。
智弁学園高から入団3年目の若虎・前川右京を起用したこともある。しかし、前川も13打数3安打の打率.231にとどまっており、21歳にはやはり荷が重いだろう。
ノイジーや佐藤輝明も起用したが、固定するには至っていないのが現状だ。3番打者の今季成績は下の通り。
昨季は渡邉諒や小野寺暖も3番で起用
昨季はシーズン前半はノイジー、後半は森下翔太が多かったものの、渡邉諒や小野寺暖、中野拓夢、糸原健斗らを3番で使ったこともある。
渡邉は25日の巨人戦で1号ソロを放つなど、5月15日に一軍昇格してから結果を残しており、今季もどこかで3番に抜擢される可能性もある。
振り返れば1985年はバース、2003年は金本知憲、2005年はシーツと優勝したシーズンは3番が固定されていた。5月15日に佐藤輝明を二軍降格させ、27日にはノイジーと井上広大も登録抹消。残された選択肢は決して多くない。
交流戦期間中のパ・リーグ主催試合ではDH制が採用されることもあり、打順の組み方はポイントのひとつ。引き続き森下を3番として起用するのか、それとも…。岡田監督の決断が注目される。
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