ロッテが2分け挟んで7連勝の快進撃
来週から始まる交流戦に向け、ロッテの調子が上向きだ。14日の那覇でのオリックス戦に勝利すると、2分けを挟んで日本ハムと今季6勝0敗で“お得意様”の西武に連勝。さらに、そのままの勢いで首位ソフトバンクにも連勝し、9戦負けなし。順位こそ3位で変わらないが、独走態勢だった鷹と6ゲーム差で貯金も5と、その差をじわじわ詰めつつある。
この快進撃の中、打線をけん引しているのがプロ11年目の岡大海だ。14日のオリックス戦でトップバッターとして初回に先制のホームを踏むと、第2打席には2戦連発となる4号ソロも放ち、連敗ストップに貢献。18日の日本ハム戦では2番に座り4安打、翌19日には同点で迎えた9回一死からサヨナラ本塁打を放ち、歓喜を呼び込んだ。
さらに、24日のソフトバンク戦でも二回の第2打席に決勝タイムリーを放つなど、新リードオフマンとして打線を勢いづけている。
今季開幕時は6番だったが、ここまでチームトップの26試合で1番を務め、チーム1位の打率.279、リーグ6位タイの5本塁打、15打点で、OPSもリーグ4位の.847をマーク。また、盗塁もリーグ5位の7個と、打撃、走塁ともに絶好調だ。
今季はフライを増やし、長打力が格段に向上
今季ここまで、特に光っているのが長打力。長打率.478は柳田悠岐(ソフトバンク)らを上回りリーグ3位。ISO(長打率-打率)は両リーグの規定到達者の中で6番目となる「.199」で、岡本和真(巨人)やセデーニョ(オリックス)らを上回る数値を記録している。昨季のISO.135から大幅にパワーアップしているのだ。
【岡大海のISO(2021年以降)】
2021年 .149
2022年 .159
2023年 .135
2024年 .199
昨季から何が変わったのか、打撃成績をもう少し詳しく見ていこう。長打力が上がっているということは、長打になりにくいゴロを減らし、フライを増やすような打撃スタイルに変更していることが考えられる。そこで岡の打球性質内訳を調べてみると、下表のようになった。
過去3年と比較すると、ゴロの割合が低下し、フライの割合が上昇していることがわかる。特に、外野フライの割合は40%を超えることがなかったのが、まだ序盤とはいえ今季は42%を記録。選手の間で「今季のボールは飛ばない」との声もあがる中で、岡は意識的にフライを打ち、長打力の向上に成功しているようだ。
これまでは持ち前の身体能力を生かして守備走塁で躍動する選手だったが、昨年から打撃でも急成長。外野手としてチーム最多の106試合に出場し、キャリアハイとなる90安打、7本塁打を放ち、OPS.788をマークした。
そして今季は長打力にも磨きをかけ、驚異的な進化を遂げようとしている岡大海。今年の7月には33歳を迎える男の伸びしろはどこまであるのか。その潜在能力の底が見えない。
※成績は5月25日終了時点
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