岡大海がバットで全3勝に大貢献
各チーム40試合ほどを消化し、上位と下位の差が大きく開きつつあるパ・リーグ。首位のソフトバンクは先週も4勝1敗と勝ち越し、貯金17で独走態勢に入った。一方、最下位の西武は5連敗で早くも自力優勝の可能性が消滅。3連覇を目指すオリックスも借金4と苦しい戦いが続いている。
SPAIAでは5月14日から5月19日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
先週負けなしで貯金生活に突入したロッテは、岡大海が12球団トップのwRAA5.7と大活躍。14日のオリックス戦(那覇)でトップバッターとして初回に二塁打で出塁し、そのまま先制のホームを踏むと、第2打席には2戦連発となる4号ソロも放ち、連敗ストップに貢献した。
さらに、18日の日本ハム戦(ZOZOマリン)では2番に座り4安打を放つなど今季最多16安打の打線をけん引し、日本ハム戦8連敗阻止に貢献。翌19日には同点で迎えた9回一死からサヨナラ本塁打を放ち、歓喜を呼び込んだ。11年目のベテランがバットでチームに活気をもたらしている。
近藤健介が2戦連続決勝打、太田椋が今季初猛打賞
着実に貯金を増やしているソフトバンクは、近藤健介が12球団2位のwRAA4.2を記録した。先週は全5試合で安打を放ち、19打数7安打の打率.368、2本塁打、4打点をマーク。18、19日の西武戦では2戦連続決勝打を放ち勝負強さも発揮するなど、昨季三冠王(本塁打、打点、出塁率)のバットが今季も止まらない。
オリックスでは太田椋がwRAA2.8でチームトップだった。5日に降格し17日に再昇格した若武者は3試合の出場ながら18日の楽天戦で猛打賞を記録するなど、12打数6安打で打率.500をマーク。昨季首位打者の頓宮裕真が不振で二軍落ちするなど5月に入り低調な打線に、23歳が活を入れる活躍を見せている。
日本ハムでは松本剛がチームトップのwRAA1.9をマーク。今季は主に2番で起用されているヒットメーカーは先週全5試合でヒットを放ち、20打数8安打の打率.400と好調。17日のロッテ戦では、佐々木朗希から二盗、三盗を連続で成功させるなど週間で4盗塁を決め、早くも今季10盗塁に到達。プロ13年目の30歳が足でも魅せている。
鈴木大地と蛭間拓哉も好調キープ
5位に転落した楽天では鈴木大地がチームトップのwRAA1.7をマークした。先週は5試合中4試合でマルチ安打を記録するなど、22打数9安打の打率. 409、OPS.909。これで5月の打率は.347と、34歳のベテランが気温とともに調子を上げてきている。
早くも借金14を抱える西武は蛭間拓哉がwRAA1.0でチームトップだった。5月10日に今季初昇格した2年目外野手は即スタメンで起用され今季初安打を放つと、5試合連続安打をマーク。14日の日本ハム戦では自身初の4番に座り、2安打を放つなど先週も打率.333と、不振にあえぐ打線の中で孤軍奮闘している。
プロ野球は来週から交流戦が始まる。今週の2カードが終わると、しばらく直接対決がなくなるだけに、下位チームは少しでもゲーム差を縮めて交流戦に突入したいところだ。
【関連記事】
・セ・リーグ球団別週間MVP 広島・坂倉将吾がチームとともに上昇、巨人・岸田行倫は打率5割
・ソフトバンクはこのまま独走するのか?プロ野球ぶっちぎり優勝チームランキング
・西武・今井、中日・小笠原、巨人・山﨑が未だ被本塁打ゼロ 2ケタ浴びた昨季から一変した要因とは