早くも貯金13、2位に5.5差つけるソフトバンク
プロ野球は大混戦のセ・リーグとは逆に、パ・リーグは上位と下位の差が広がりつつある。首位ソフトバンクは22勝9敗2分けで早くも貯金13。勝率は7割を超えており、2位・日本ハムに5.5差をつけている。
打率上位3人は近藤健介(.317)、周東佑京(.315)、柳田悠岐(.308)とソフトバンク勢が独占。 4位は楽天・辰己涼介(.288)で、3割を超えているのはソフトバンク勢だけだ。
さらに山川穂高は9本塁打、35打点で2冠を独走。2位のオリックス・セデーニョは7本塁打、3位は西武・中村剛也とロッテ・ポランコの5本塁打と頭ひとつ抜けており、打点も2位・柳田悠岐(27打点)に8点差をつけている。
投手陣も中継ぎの津森宥紀がハーラートップタイの4勝、有原航平と大津亮介は3勝をマーク。防御率は先発に転向したモイネロが1.57で3位、クローザーのオスナはリーグ最多の9セーブを挙げており、投打のタイトル争いをソフトバンク勢が引っ張っているのだ。
「個」の力だけではなく、チーム成績も軒並み1位に立っている。打撃成績は打率(.259)、得点(139)、安打(293)、本塁打(22)、塁打(428)、四球(127)、盗塁(28)、OPS(.716)などがリーグトップ。
投手成績も防御率(2.02)、被打率(.193)、失点(77)、1イニングあたり何人の出塁を許したかを表すWHIP(0.99)、同じイニング数で平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを表すRSAA(27.0)など細かい指標を挙げればキリがないほどトップの項目が多い。
チーム別に見ると西武に7勝2敗、ロッテに5勝1敗と大きく勝ち越している。3連覇中のオリックスとは3勝2敗1分けと競っているが、11、12日の宮崎・鹿児島2連戦で連勝するようなことがあると、一気に抜け出す可能性もある。
セ・リーグ独走優勝TOP3
これまで2位に最大ゲームをつけて優勝したのは1990年・巨人の22差。1950年の2リーグ分立以降でセ・リーグ独走優勝TOP3は下の通りとなっている。
藤田元司監督2年目だった1990年の巨人は5月8日から一度も首位を明け渡すことなく独走。斎藤雅樹が20勝、桑田真澄と宮本和知が14勝、木田優夫が12勝、香田勲男が11勝と5人が2桁勝利を挙げ、駒田徳広が22本塁打、原辰徳が20本塁打を放つなど投打がかみ合って、88勝42敗で勝率.677を記録した。
セ・リーグ2位の18ゲーム差をつけて優勝したのが1951年の巨人。水原茂監督に率いられ、川上哲治、青田昇、与那嶺要らが強力打線を形成し、7月に15連勝するなど79勝29敗6分けの貯金50、勝率.731で2位・名古屋(中日の前身)をぶっちぎった。
セ・リーグ3位は2016年の広島だ。2年目の緒方孝市監督の下、田中広輔、菊池涼介、丸佳浩、新井貴浩、鈴木誠也、エルドレッド、松山竜平らを擁する強力打線が火を噴き、投手陣も野村祐輔が16勝、ジョンソンが15勝、黒田博樹が10勝するなど充実した戦力で2位・巨人に17.5差をつけて25年ぶりのリーグ制覇を果たした。
パ・リーグ独走優勝TOP3
パ・リーグで最大ゲーム差の優勝は1951年・南海の18.5差。TOP3は下の通りとなっている。
鶴岡一人選手兼任監督が率いる南海は1951年、1番・蔭山和夫、2番・木塚忠助が機動力を発揮。チーム盗塁数191個、チーム打率.276をマークして72勝24敗8分けの勝率.750で2位・西鉄に18.5差をつけて優勝した。
パ・リーグ2位は2011年、秋山幸二監督3年目のソフトバンクとなっている。投げてはホールトンが19勝、和田毅が16勝、攝津正が14勝を挙げ、打っては内川聖一が打率.338で首位打者、松田宣浩が25本塁打、39歳だった小久保裕紀現監督も98試合に出場して10本塁打を放ち、88勝をマークして2位・日本ハムに17.5差をつける独走優勝だった。
パ・リーグ3位は広岡達朗監督率いる1983年の西武。東尾修が18勝、防御率2.92で投手2冠、高橋直樹が13勝3敗で最高勝率、森繁和が34セーブで最優秀救援投手に輝き、打線も田淵幸一や石毛宏典らベテランと若手がかみあっていた。86勝40敗4分けの勝率.683で2位・阪急に17.0差をつけてリーグ連覇を果たした。
今季のソフトバンクの勢いはまだまだ続くのか、あるいは逆転するチームが出現するか。まずは5月28日に始まる交流戦までの成績がポイントになりそうだ。
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