阪神戦でプロ初の4番抜てき、5番の打率.395
5月7日の阪神vs広島戦のスタメンが発表されると、SNSがざわついた。広島の4番が小園海斗だったのだ。
報徳学園高からドラフト1位で入団して6年目の23歳。今季は5番で起用される試合も多く、ポイントゲッターとしてもチームに貢献している。
とはいえ、4番はプロ入り初。それ以外の打順は全て経験している小園自身が一番驚いたのではないだろうか。
一般的にクリーンアップは塁に溜まった走者を還す長距離砲のイメージが強い。だからこそ「クリーンアップ」と呼ばれるわけだが、パワーヒッターではない小園は何番で起用するのが最適なのか。今季の打順別打率を調べてみた。
3番では70打数14安打の打率.200だが、5番ではなんと38打数15安打の打率.395。開幕からしばらく3番だった小園は、5番で起用されるとともに調子が上がったのか、調子が上がったから5番で起用されたのか定かではないものの、ここまで打率が違うのは驚きだ。
もちろん、調子以外にも相手投手との相性や他の打者との兼ね合いもあり一概には言えないものの、無視できないデータではないか。
得点圏打率4割の勝負強さ
そもそも小園はポイントゲッターとしての適性があるのか。今季の得点圏打率は下の通りとなっている。
3番でも5番でも打率4割。つまりチャンスに強く、ポイントゲッターとしての適性はありそうだ。
2023年は5番の打率.462
今季はまだ試合数が少ないため昨季の打順別打率も調べてみた。
4番以外全ての打順で起用されているが、やはり5番が最も高い打率.462。13打数(6安打)と少ないこともあるが、単なる偶然とは思えない。
他には7番も.417(24打数10安打)、1番も.319(72打数23安打)と高打率の一方、8番は.083(36打数3安打)、6番は.167(6打数1安打)、2番は.263(19打数5安打)と低かった。最も多い3番は.299(117打数35安打)と悪くない成績を残している。
プロ通算でも5番が最高打率
では、通算ではどうなっているか。高卒ルーキーだった2019年から2024年5月6日までの通算打順別打率は下の通りだ。
やはり5番が最高打率の.397(58打数23安打)をマークしている。3割を超えているのは.316(133打数42安打)の6番と.305(85打数26安打)の1番、.300(10打数3安打)の9番のみ。最も多い3番は通算打率.257(460打数118安打)にとどまっている。
小園のNPB通算打率.272(1514打数412安打)より下回っている打順では、データを見る限り積極的に使う理由はない。
5月5日のDeNA戦では、前日までの5番から3番に替わったためかは分からないが、4試合連続安打でストップ。3打数無安打に終わり、チームも敗れた。サードとショートで併用されている守備の負担も軽くないだろう。
昨季日本一に輝いた阪神・岡田彰布監督は上位打線だけでなく、8番・木浪聖也も固定してシーズンを戦い抜いた。西川龍馬が移籍し、助っ人外国人も離脱中の広島。今季のチーム総得点はリーグ最少の76、チーム打率はリーグ5位の.230と打線が低調な現状を打開するには「5番・小園」がカギを握るかもしれない。
※成績は2024年5月6日現在
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