防御率1.04、4試合全てクオリティスタート
開幕でつまずきながら調子を上げてきた阪神タイガース。先発投手陣の中で安定感抜群の投球を続けているのが才木浩人だ。
4試合に登板して2勝1敗、防御率はリーグ3位の1.04。3月31日の巨人戦(東京ドーム)から毎週日曜に先発登板しており、4試合全てクオリティスタート(QS=6イニング以上、自責点3以内)を記録している。
雨の中で行われた21日の中日戦(甲子園)では、7回を散発3安打8奪三振無失点で2勝目。7回降雨コールド勝ちで“完封勝利”となり、6連勝で首位奪取に大きく貢献した。
フォークとスライダーの割合が昨季と逆転
球種は平均147.6キロのストレートとスライダー、フォーク、カーブのみ。力で抑え込む剛腕ではないにもかかわらず、少ない球種で好成績を残している一因はコントロールにある。ストライクゾーンを9分割したコース別データは以下の通りとなっている。
投球割合15%以上を示す赤色に染まるのは右打者、左打者とも外角低めと高め。右打者の外角低めは被打率.071、高めは.182と抑えており、左打者には外角高め低めともに1本の安打も打たれていない。
逆にそれ以外のコースは7%未満を示す青色が多く、丁寧に外角に投げ込んでいることが分かる。189センチの長身から腕をしならせて投げるオーバースローで、上下のコントロールミスはあっても左右の逆球は少ないため連打や大量失点を許していないと言えるだろう。
さらに今季は攻め方をマイナーチェンジ。昨季まではストレートとフォークが主武器だったが、今季はスライダーの割合が昨季の13.6%から21.7%に増加している。逆にフォークは23.1%から16.7%に減少しているのだ。
しかもスライダーの被打率は昨季の.407から今季は.050と大幅に改善。ストレートに比べて40キロ近く遅い平均110.0キロのカーブも交え、緩急を使いながら打者を料理している。
トミー・ジョン手術乗り越えた大型右腕
才木は須磨翔風高から2016年ドラフト3位で入団した8年目の25歳。2年目の2018年にプロ初勝利を含む6勝を挙げるなど将来を嘱望されていたが、2020年に右肘トミー・ジョン手術を受け、ブランクを余儀なくされた。
2022年に実戦復帰して4勝を挙げると、2023年はローテーションの一角を担って自己最多の8勝をマークし、優勝に貢献した。
強力投手陣を擁する阪神は、ここまで青柳晃洋、大竹耕太郎、才木浩人、村上頌樹、伊藤将司、西勇輝の先発ローテーションを一度も崩しておらず、リーグ最多15回のQSをマークしている。その中でも4度の登板全てQSの才木は最も頼りになる投手の一人だ。自身初の2桁勝利、さらに昨季の村上のようなインパクトのある活躍が期待される。
※成績は4月22日現在
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