プロ初登板で坂倉将吾から三振
DeNAの徳山壮磨投手(24)が3月30日の広島戦(横浜)で9回2死からプロ初登板を果たし、坂倉将吾から三振を奪って開幕2連勝となる試合を締めくくった。
先発の平良拳太郎が6回までノーヒットと完璧な投球を続けていたが、9回2死から1点を失った場面で三浦大輔監督は交代を指示。5点差がついていたとはいえ、3年目右腕はわずか4球で広島の4番を三振させ、落ち着いたマウンドさばきが光るデビュー戦となった。
完投目前の平良を交代させたのは比較的、楽な場面で徳山をテストしたい指揮官の思惑もあっただろう。昨季は山﨑康晃が20セーブ、森原康平が17セーブとクローザーを固定できておらず、徳山がブルペン陣に入れば厚みが増す。そういう意味では本人だけでなく、チームにとっても収穫の大きなデビュー戦となった。
大阪桐蔭高のエースとして2017年センバツ優勝
徳山は大阪桐蔭高のエースとして2017年センバツで優勝。巨人のドラフト4位ルーキー・泉口友汰と同級生、「最強世代」と呼ばれた根尾昂、藤原恭大らの1学年先輩で、夏の甲子園では同じく「最強世代」の柿木蓮が先発した3回戦で仙台育英に逆転サヨナラ負けし、春夏連覇はならなかった。
早稲田大では3年春のリーグ戦で最優秀防御率に輝くなど東京六大学通算9勝。2021年ドラフト2位でDeNA入り後は、1年目がイースタン・リーグで2勝6敗、防御率3.49、2年目の昨季が1勝2敗、防御率3.23と二軍でキャリアを積んだ。与四球率は5.12から2.77と大幅に改善している。
さらに昨オフにはオーストラリアに武者修行に出てウィンターリーグに参戦。キャンベラ・キャバルリーの一員として10イニングで14三振を奪い、成長の後をうかがわせた。
昨年MVPの村上頌樹と似た足跡
徳山のこれまでの足跡は誰かに似ていないだろうか。そう、昨年セ・リーグMVPに輝いた阪神・村上頌樹だ。
智弁学園高のエースとして2016年センバツで優勝。東洋大で東都リーグ通算12勝を挙げ、阪神入団後は二軍で地道にキャリアを積んで昨年大ブレイクした。
10勝6敗、防御率1.75で最優秀防御率のタイトルも獲得し、史上3人目の新人王とMVPを同時受賞したのは記憶に新しい。村上はまさに岡田阪神の「Vの使者」だった。
似たような足跡を辿る本格派右腕・徳山。開幕スタメンでいきなり活躍している度会隆輝とともに、今季のDeNAを象徴する存在となるか。1998年以来26年ぶりの頂点を目指すDeNAにとって、楽しみな若手がまた一人出現した。
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