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巨人期待の秋広優人は成長曲線を描けるか?松井秀喜氏や阿部慎之助監督の現役時代と比較

2024 2/10 06:00SPAIA編集部
巨人の阿部慎之助監督と秋広優人,ⒸSPAIA
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阿部慎之助監督が“居残り個人レッスン”

巨人・秋広優人内野手(21)が宮崎キャンプ第2クールの8日、居残り練習中に阿部慎之助監督の直接指導を受けた。バックネットに向かってティー打撃をしていた秋広に身振り手振りを交えて話しかけ、自らバットを持って手本を示すなど熱血指導。全てのメニューが終わり、他の選手が引き揚げても“個人レッスン”はしばらく続いた。

指揮官自らの指導は、言うまでもなく期待の裏返し。身長2メートルのスラッガーをレギュラーとして固定できれば打線の厚みが増すことは間違いない。

阿部監督も現役時代は通算406本塁打を放った左のスラッガー。本塁打王こそ獲っていないものの、2010年に44本塁打を放つなどルーキーイヤーから18年連続で2桁本塁打をマークした。

巨人では、若かりし頃の王貞治氏が当時の荒川博コーチに厳しい指導を受けて「一本足打法」を完成させた逸話が残る。秋広が背番号55を受け継いだ松井秀喜氏も長嶋茂雄監督から「4番1000日計画」と呼ばれる指導を受けた。

将来の主砲や4番と見込んだ選手には、時間と情熱をかけて指導しないと簡単には育たない。秋広にそのポテンシャルがあることは誰もが認めるところだろう。

2023年に10本塁打、さらなる成長に期待

二松学舎大付高から2020年ドラフト5位で入団した秋広は、昨季121試合に出場して打率.273、10本塁打、41打点をマーク。それまで一軍では1試合に出場したのみだったが、大きく飛躍するシーズンとなった。今後さらに成長し、30発、40発打てる長距離砲に育ってほしいのが阿部慎之助監督の本音だろう。

今年で4年目。9月の誕生日が来てもまだ22歳という年齢を考えると、将来を期待せずにはいられない。松井秀喜氏や阿部慎之助監督の現役時代と比較してみよう。

松井秀喜と阿部慎之助の現役時代成績

プロ10年目あたりがピーク?

松井氏は星稜高から入団1年目にいきなり11本塁打。秋広が10本塁打を放った21歳の3年目には22本塁打をマークしている。

一方、阿部監督は中央大からドラフト1位で入団したが、3月生まれのため1年目は22歳。ルーキーイヤーは13本塁打を放ち、初めて30発を打ったのは4年目の25歳の時だった。

松井氏は6年目の24歳で本塁打と打点の二冠王。26歳でも2度目の二冠に輝くと、27歳で首位打者、10年目の28歳で50本塁打、107打点をマークして3度目の二冠王となり、2003年からヤンキースに移籍した。

阿部監督は10年目の31歳で自己最多の44本塁打。12年目、33歳のシーズンに打率.340、104打点で二冠王に輝いた。タイトルや数字だけで判断はできないが、2人ともプロで10年、飯を食った頃が成績的にはピークを迎えている。

秋広も同じような成長曲線を描けるだろうか。10日から4日間、松井氏が臨時コーチとして秋広らを指導する。今キャンプでレジェンドから多くのことを吸収し、ブレイク翌年の今季も好成績を残せれば、今後への期待はさらに高まるだろう。

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