6年ぶり4度目の臨時コーチ
巨人は30日、OBの松井秀喜氏が春季宮崎キャンプで臨時コーチを務めることを発表。現役引退後にキャンプで臨時コーチを務めるのは6年ぶり4度目となる。参加日程は2月10日から13日まで。
前回参加した2018年は、当時一軍定着前だった4年目の岡本和真らを連日指導。すると岡本はその後のキャンプ・オープン戦でもアピールを続け、現監督である阿部慎之助との争いを制して開幕スタメンの座をつかみ取った。
チームは3位に終わるも、岡本は143試合に出場して打率.309、本塁打33、打点100と大ブレイク。22歳3か月での3割・30本塁打・100打点達成は史上最年少という快挙だった。
その後の活躍はご存じの通り。今では巨人の不動の4番、WBCでも日の丸を背負って世界一に貢献したように球界を代表する大砲へと飛躍を遂げた。2017年までの3年間で通算本塁打がわずかに1本だった男は、その数を「206」まで積み上げている。
もちろん松井氏の指導がどれほどの影響を与えたかは分からないが、松井氏の指導を受けて臨んだ2018年が岡本にとって大きな転機となったことは事実。今年も6年前の岡本のように、レジェンドとの邂逅をキッカケにブレイクする若手の登場が待たれる。
「55」を受け継いだ21歳に熱視線
なかでも大きな注目を集めるのが、高卒4年目・秋広優人だろう。
二松学舎大付高から2020年のドラフト5位で巨人に入団した身長200cmの左打ち内野手。2022年からは松井氏がかつて背負った背番号「55」を受け継ぎ、“ゴジラの後継者”として大きな期待を受けた。
その2022年こそ一軍出場0に終わったものの、昨季は一軍に定着して121試合に出場。打率.273で10本塁打、41打点を記録するなど、飛躍のシーズンとしている。
登録上は「内野手」も昨季は左翼手として74試合、右翼手として13試合と外野がメイン。今季は外野の一角と中軸に定着して昨年以上の成績が求められる中、「55」の大先輩であるレジェンドから直接指導が受けられるというのは秋広にとっても大きなチャンスとなるはずだ。
加えて、巨人は今季から阿部慎之助監督体制がスタート。秋広にとってはファーム時代に厳しく育てられた師匠であり、阿部新監督もキャンプを前に秋広の“遅刻癖”を公にしてハッパをかけるなど、早くも師弟関係の復活が話題を集めた。そんな環境的な面も含めて、秋広のさらなる進化に期待する声も多い。
ほかにもチーム内には昨季イースタン3位の12本塁打を放った岡田悠希や、昨オフのウインターリーグで良いアピールを見せた萩尾匡也、ルーキーの佐々木俊輔や泉口友汰といった楽しみな面々がキャンプ一軍メンバーに名を連ねており、ブレイク候補は多数いる。レジェンドから学んだことを活かし、チャンスを掴む選手は出てくるのか。新生・阿部巨人の大きな注目ポイントとなる。
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