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東北楽天ゴールデンイーグルス2024年期待の若手&キャンプ注目選手 求められる投手陣の大変革、先発転向の内星龍に高まる期待

2024 1/27 06:00SPAIA編集部
内星龍,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

今江敏晃新監督が挑む節目のシーズン

昨季は最終戦までもつれた激闘を落とし、2年連続の4位に終わった楽天。3年間の石井一久監督体制が幕を閉じ、今季から今江敏晃新監督が就任した。

それでなくとも今年は球団創設20周年の節目の年。11年ぶりの優勝でメモリアルに華を添えることができるか、チームにとって重要な1年となる。

そんな新生・楽天の今オフの大きな出来事と言えば、通算236セーブを記録した守護神・松井裕樹が海外FA権を行使してメジャー挑戦を表明。サンディエゴ・パドレスと契約を結んだ。

クローザーの退団に伴い、今江新監督は長らく先発陣の大黒柱として活躍してきた則本昂大に抑えの座を任せることを決断。昨季もローテーションの一角として8勝を挙げ、通算114勝を誇る右腕の役割変更は大きな話題を集めた。

昨季のチーム防御率3.52はリーグワースト。投手力に課題を残したチームだけに、松井の退団から則本の転向にという大きな変更をトリガーに先発・リリーフともに大変革が求められる。この春のキャンプでは、投手陣の救世主となるような新星のアピールが待たれるところだ。

山本由伸を「完コピ」?21歳右腕が先発挑戦

則本が抜ける先発陣で注目を浴びるのが、高卒4年目の内星龍だ。履正社高から2020年のドラフト6位でプロ入りした21歳の右腕は、昨季が一軍デビューイヤーながら53試合に登板。4勝2敗7ホールド、防御率2.28と苦しむ投手陣の中で数少ない光明となった。

高校球界屈指の強豪からのプロ入りながら、そのキャリアはやや異色。高校入学時は外野手で、1年秋から本格的に投手として歩み始めるも故障などもあって思うように投げることはできず。公式戦初登板を果たしたのは3年夏のこと。しかもその年は新型コロナウイルスの影響で夏の甲子園が中止となり、代替措置として行われた『高校野球交流試合』にチームは出場したが、内は登板機会がなかった。

それでも、その直後に開催された『プロ志望高校生合同練習会』でのアピールが実を結び、秋には楽天からの指名をゲット。プロ入り後は2年間ファームで研鑽を積み、3年目の飛躍へとつなげた。そして迎える4年目、自身の強い想いもあって先発挑戦という新たなチャンスが巡ってくる。

武器は190センチの長身から繰り出す威力抜群の速球と落差の大きいフォーク。また、もうひとつ特徴的なのが高校時代から山本由伸を研究して作り上げた投球フォームで、一軍デビュー戦ではテレビ中継の実況・解説者も認めるそっくりな投法から3回パーフェクトの快投を披露。「山本由伸を完コピ」した新星として一躍脚光を浴びた。

思えばその山本も、リリーフとして頭角を現した後に先発へと転向して球界No.1のエースまで駆け上がったという過去がある。ちなみに、山本の成績を振り返ってみると2018年に54試合の登板で4勝2敗1セーブ・32ホールド、防御率2.89をマーク。その翌年に20試合の登板で8勝6敗、防御率1.95で最優秀防御率のタイトルを手にした。いきなりタイトル獲得まで望むのは酷だが、内がローテーションの一角として回ることができれば、楽天にとっては大きなプラスとなる。

近年の先発陣を振り返ってみても新星の台頭がなかなか見られず、昨季も先発の勝ち星トップ3は岸孝之(9勝)、則本昂大(8勝)、田中将大(7勝)とベテラン頼みの面が強い。内だけでなく昨年のドラフト1位右腕・荘司康誠や、内と同期入団のドラ1左腕・早川隆久といった若き力で変革を推し進めていく必要がある。

まずは春のキャンプでしっかりとアピールを見せ、開幕ローテーションのイスを手中に収めることができるか。さらなる進化に期待がかかる背番号69を中心に、楽天投手陣の争いに注目したい。

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