東北に初のプロ野球球団誕生、初代監督は田尾安志
2004年、「プロ野球再編問題」の中、新規参入球団として誕生した東北楽天ゴールデンイーグルス。東北を本拠地とする初の球団で、2022年で創設18年目と歴史は浅いが、2013年には初のリーグ優勝を果たし、日本一も成し遂げている。
そんなイーグルスをこれまでどのような監督が率いてきたのか、最高成績とともに振り返ってみたい。

2005年、栄えある初代監督に就任したのは田尾安志だった。田尾はコーチ・監督未経験だったが、3月26日の開幕戦(ロッテ戦)ではエース岩隈久志の好投もあり、3-1で球団初勝利を挙げ、好スタートを切った。
しかし、翌27日の開幕2戦目には0対26と大敗。その後も2度の11連敗を喫するなど、最終的には38勝97敗1分けで最下位に終わった。田尾は監督就任時に球団と3年契約を結んでいたが、成績不振を理由にこの年限りで解任されている。
2006年からは名将・野村克也が監督に就任した。1年目は最下位に低迷したが、この年のドラフト会議で4球団競合の末、田中将大(駒大苫小牧高)の獲得に成功。さらに、永井怜や嶋基宏など後の主力となる選手たちも指名している。
2007年に早くもその成果が表れる。田中が11勝を挙げる活躍で新人王を獲得したのだ。さらに、山崎武司が本塁打と打点の二冠に輝き、チームも4位と初の最下位脱出に成功。08年は5位に終わるが、創設5周年を迎えた09年に初のAクラスとなる2位に入り、球団初のクライマックスシリーズ進出を果たした。ただ、野村は高齢を理由にこの年限りで退任となった。
創設9年目に星野仙一監督がリーグ優勝&日本一
2010年、野村の後任としてマーティー・ブラウンが監督に就任。悲願の初優勝が期待されてシーズンに臨むも、開幕から低迷し4年ぶりの最下位に沈んだ。ブラウンは2年契約の1年限りで解任となった。
翌2011年、球団は闘将・星野仙一を監督に招へいし、チームの立て直しを託した。しかし、開幕前の3月11日に東日本大震災が発生。本拠地・Kスタ宮城(当時)も震災によって破損したため、本拠地開幕は4月29日にずれ込んだ。チーム成績も4月は勝ち越すも、5月以降は黒星が先行し、最終的には5位でシーズンを終えた。
翌12年は長年チームを支えたエース岩隈がメジャーへ移籍した中、勝率5割を記録するも4位。だが、このオフにメジャーからアンドリュー・ジョーンズ、ケーシー・マギー、そして斎藤隆を獲得した。
迎えた13年、大型補強に成功したチームは、田中が開幕から無傷の24連勝を記録するなど大車輪の活躍もあり、球団初のリーグ優勝を達成。CSを勝ち上がり、初の日本シリーズでも4勝3敗で巨人を下して日本一に輝いた。
星野は2014年、新たに3年契約を結びシーズンに臨んだが、5月下旬に持病の腰痛が悪化し休養。その後7月に復帰するもチームが最下位に低迷したため、そのまま退任となった。
2015年、前年の監督代行を経て1年契約で大久保博元が監督に就任した。ただ、序盤こそ勝率5割前後を維持するも、セ・パ交流戦終了後に失速し最下位に。成績不振の責任を取りこの年限りで辞任した。
2016年、新たに指揮官に就任したのは近鉄、日本ハムを優勝に導いた梨田昌孝だった。1年目は5位に終わったが、翌17年は外国人選手を軸にした攻撃的な打線で3位に入り、クライマックスシリーズに導く。だが、18年は開幕から不振で6月に辞任。平石洋介ヘッド兼打撃コーチが監督代行を務めたが、チームは再び最下位に沈んだ。
平石洋介が初の生え抜き監督に
2019年からは、前年に監督代行を務めた平石洋介がそのまま新指揮官に就任。球団初の生え抜き監督として前年最下位のチームを3位に躍進させ、CS進出へと導いた。だが、この年のオフに球団から翌年新設される「二軍統括」のポストを提示されたが、それを固辞。したため退団となった。
2020年、前年に二軍監督としてイースタン・リーグ初優勝に導いた三木肇が一軍監督に就任。開幕から首位争いを演じたが、最終的には55勝57敗8分けの借金2で4位に終わった。このオフ、GMの石井一久が一軍監督との兼任になることが発表され、三木は二軍監督に復帰することとなった。
2021年、GMとの兼任で監督に就任した石井。2月にはメジャーから田中将大が復帰するなど、8年ぶりのリーグ優勝への期待も高まっていた。チームは開幕から好調で、シーズンを通じて5割以上の勝率を維持したが、終わってみればギリギリAクラスの3位という結果だった。
2022年は熾烈なCS争いを繰り広げるも4位に終わり、球団初の2年連続Aクラス入りとはならなかった。鬼門となったのが金曜日。5月6日の対オリックス戦(京セラドーム大阪)での勝利を最後に、金曜開催の試合ではなぜか勝てず、19連敗でシーズンを終えている。
2年目の指揮を執った石井監督は初のBクラスとなったが、来季もGMとの兼任での続投が決定。コーチ陣が刷新された中、2023年はどのような戦いを見せるのか、その手腕に注目だ。
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