高卒ドラ3齋藤響介も一軍先発デビュー
2023年のプロ野球も新人選手たちの活躍が光った。オリックスの育成4位・茶野篤政は開幕前に支配下登録され、育成出身ルーキー初の開幕スタメンを奪取。阪神のドラフト1位・森下翔太は、球団の右打者としては43年ぶりの2桁10本塁打を記録し、日本シリーズでも新人最多タイの6打点を挙げるなど、球団38年ぶりの日本一に大きく貢献した。
そこで今年の新人たちが一軍でどのような活躍を見せたのか、球団ごとにルーキーの通信簿を作成した。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目について、5段階で評価している。
今回は惜しくも2年連続日本一とはならなかったものの、リーグ3連覇を成し遂げたオリックスのルーキーたちを見ていく。
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まず投手では、白鴎大からドラフト1位で入団した曽谷龍平と盛岡中央高から同3位で入団した齋藤響介が1年目で一軍デビューを果たした。
曽谷は開幕二軍スタートとなったが、4月26日の日本ハム戦で中継ぎとして一軍デビュー。6月からは先発に転向し、7度目の先発となった10月9日のソフトバンク戦で6回無失点と好投。プロ初勝利を挙げた。1年目は10試合に登板して1勝2敗、防御率3.86の成績だった。
齋藤は高卒1年目ながら二軍で11試合に登板して防御率2.25の好成績を残し、リーグ優勝決定後の9月26日の西武戦にプロ初登板初先発。4回無失点の好投を見せた。ただ、一軍ではこの1試合のみの登板だったため、今回は曽谷のみ評価対象とした。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
曽谷はストレートの平均球速が147.7キロと先発左腕としては高速で、球威評価は「4」。K%は19.6とリーグ平均並み(19.3)で奪三振評価は「3」となった。BB%は10.9とリーグ平均(8.0)を下回ったため、制球力評価は「2」。FIPは2.83とリーグ平均を上回り、総合評価は「4」となった。
来季の先発陣は山本由伸がメジャーへ、山﨑福也が日本ハムへ移籍するため、新戦力の台頭が不可欠な状況。2年目を迎える左腕には、開幕からのローテ入りが期待される。