争奪戦の末、山﨑福也が加入
国内フリーエージェント権を行使していたオリックス山﨑福也投手(31)の日本ハム移籍が決まった。
人的補償が発生しないCランクと見られることもあり、ヤクルト、DeNA、巨人、ソフトバンクが獲得に名乗りを挙げ、オリックス残留も含めて6球団の争奪戦に発展。その中から、かつて父・章弘さんが在籍し、オリックス時代の先輩でもある伏見寅威や金子千尋二軍投手コーチらもいる日本ハム入りを決断した。
日本ハムは通算70勝を挙げている上沢直之がポスティングシステムでのメジャー移籍を目指しており、最下位脱出のためには先発の補強が喫緊の課題だった。今季11勝を挙げた左腕・山﨑に提示した条件は4年総額8億円以上と報じられている。
日大三高から明治大を経て2014年ドラフト1位でオリックス入りした山﨑は、通算176試合登板で39勝45敗、防御率3.85。2024年の逆襲に向けて、キーマンの一人となりそうだ。
昨オフ加入の伏見寅威とバッテリー復活に期待
日本ハムにFA移籍した選手は4人目となる。球団初のFA戦士は稲葉篤紀だった。
法政大から1994年ドラフト3位でヤクルトに入団した稲葉は、2001年に打率.311、25本塁打、90打点をマークするなど左の強打者として活躍。2004年オフにメジャーリーグを目指してFA宣言したもののオファーがなく、日本ハム入りした。
日本ハムでは2007年に首位打者と最多安打のタイトルを獲得。在籍10年で打率.288、139本塁打、613打点をマーク、通算2000安打も達成し、2014年に引退した。その後、日本代表監督として東京五輪で金メダルを獲得。2021年オフにGMとして日本ハムに復帰し、2024年は二軍監督を務める。
鶴岡慎也は日本ハム時代の2013年オフにFAでソフトバンク入りし、4年間プレー。2017年オフには2度目のFA宣言で日本ハムに復帰した。2019年からバッテリーコーチを兼任し、2021年に引退。2018年から4シーズン通算で167試合に出場して打率.234、現役通算では1220試合に出場して打率.238の成績を残した。
2022年オフにオリックスからFAで加入したのが伏見寅威だ。西武から同じ捕手の森友哉がオリックスにFA移籍したのと入れ替わりで日本ハムに移籍。2023年は89試合に出場して打率.201だった。2024年は山﨑の女房役としても期待される。
国内他球団へのFA移籍は河野博文から近藤健介まで12人
逆にFA宣言して日本ハムを出ていった選手は15人。内訳は国内が12人、海外が3人となっている。国内他球団に移籍したのは下記の通り。
1995年オフ 河野博文 →巨人
2001年オフ 片岡篤史 →阪神
2006年オフ 小笠原道大 →巨人
2009年オフ 藤井秀悟 →巨人
2010年オフ 森本稀哲 →横浜
2013年オフ 鶴岡慎也 →ソフトバンク
2014年オフ 小谷野栄一 →オリックス
2014年オフ 大引啓次 →ヤクルト
2016年オフ 陽岱鋼 →巨人
2017年オフ 大野奨太 →中日
2017年オフ 増井浩俊 →オリックス
2022年オフ 近藤健介 →ソフトバンク
岡島秀樹はワールドシリーズ優勝
FAでのメジャー挑戦は3人いる。日本ハムから初めて移籍したのは2006年オフの岡島秀樹だった。
東山高(京都)から1993年ドラフト3位で巨人入団した岡島は、投げる瞬間に下を向く独特のフォームで主に中継ぎとして活躍。2006年の開幕直前にトレードで日本ハム移籍し、同年オフにFA宣言してレッドソックス入りした。
1年目は19試合連続無失点を記録するなど、66試合登板で3勝2敗5セーブ27ホールドをマークし、ワールドシリーズ優勝。MLB通算5年で17勝8敗6セーブ84ホールドの成績を残し、2012年からソフトバンクに移籍した。
建山義紀は日本ハム時代の2004年に最優秀中継ぎ投手に輝くなど、貴重なサイド右腕として活躍。2010年オフにFA宣言し、レンジャーズ入りした。2013年シーズン中にヤンキース3Aに移籍したがメジャー昇格できず、2014年シーズン中に阪神に移籍して同年限りで引退。MLB通算53試合登板で3勝1セーブ4ホールドの成績を残している。
2010年に193安打、打率.335という好成績をマークした田中賢介がFA宣言したのは2012年オフだった。ジャイアンツとマイナー契約を結び、7月にはメジャーデビューを果たした。MLB通算15試合出場で30打数8安打、打率.267という成績を残し、2015年から日本ハムに復帰。2019年に引退した。
なお、2012年にレンジャーズ入りしたダルビッシュ有、2018年にエンゼルス入りした大谷翔平、2021年にレンジャーズ入りした有原航平はポスティングシステムによる移籍だった。
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