新人から3年連続20発の阪神・佐藤輝明
セ・リーグは阪神が18年ぶり優勝を決め、焦点はクライマックスシリーズ争いとタイトル争いに移った。先週から18日までの7試合で2位・広島は3勝4敗、3位DeNAは4勝3敗、4位・巨人は3勝4敗と膠着状態。ここからどこが抜け出すのか、シーズン終盤まで熾烈な争いは続きそうだ。
SPAIAでは9月12日から18日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
阪神は佐藤輝明が9月に入って調子を上げてきた。9月14日の巨人戦で優勝を決定づける20号2ランを放ち、史上7人目、左打者では史上初となる新人から3年連続20発を達成。13日の巨人戦から4試合で11安打を固め打ちし、7試合合計でも28打数11安打の打率.393、2本塁打、11打点、wRAA5.0をマークした。
今季は苦しむことも多かったが、全試合で4番を務めている大山悠輔が調子を落としてきた時期に復調。これからCSや日本シリーズに向けて、大山と左右の両輪で打線を牽引しなければならない存在だけに頼もしい限りだ。
広島・小園海斗も好調、巨人・岡本和真は初の40発
広島は小園海斗が絶好調。7試合中6試合で安打を放ち、29打数12安打の打率.414で、wRAAはチームトップの3.1だった。大声援の後押しがある本拠地マツダスタジアムでCSを戦いたい広島。2位でフィニッシュするためにも小園の攻守にわたる活躍が期待される。
リーグトップのwRAA5.2を記録したのはDeNAのネフタリ・ソト。22打数8安打の打率.364、13日の中日戦で10号ソロを放ってから3試合連発の4本塁打を放った。2018年から2年連続本塁打王に輝いたソトも来日6年目の今季は13本塁打。シーズン終盤の爆発でチームをCSに導くか。
巨人は岡本和真がwRAA3.1でチームトップだった。7試合で25打数7安打の打率.280、3本塁打。15日の中日戦で自身初となる40号の大台に乗せ、17日のヤクルト戦でも41号ソロを放った。2年ぶりのキングを確実にしており、残り試合でどこまで伸ばせるか注目される。
ヤクルト村上宗隆、中日ビシエドも上昇
ヤクルトの村上宗隆は4本塁打を放ってチームトップのwRAA3.7をマークした。25打数7安打の打率.280だったが、7安打中4安打がサク越え。三冠王に輝いた昨季のインパクトが強すぎたため目立たないが、今季もきっちり30本塁打に到達している。
中日のダヤン・ビシエドは23打数8安打の打率.348、4本塁打を放ち、wRAA4.5を記録した。14日のDeNA戦では4号ソロと5号2ランを含む3安打。若手の多い打線の中軸として役割を果たしている。
長いシーズンも残りわずかとなった。CSを争うチームやタイトルを争う選手はもちろん、来季の契約が気になる選手も最後の追い込みをかけたいところ。最後まで熱いプレーを期待したい。
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