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阪神・佐藤輝明は虎の申し子!?史上7人目の新人から3年連続20本塁打へあと2本

2023 9/12 11:00SPAIA編集部
阪神の佐藤輝明,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ストライクゾーンに浮かぶ「T」の字

阪神・佐藤輝明が調子を上げてきた。6月に不振のため二軍落ちしたり、8月にスタメンを外れたり、今季は苦しい状況が続いていたが、9月は早くも3本塁打、9打点、打率.310をマーク。猛虎打線を引っ張ってきた不動の4番・大山悠輔が下降線を辿るのと反比例するような上昇カーブだ。

9月2日のヤクルト戦(神宮)で16号3ランを放つと、翌3日にも2試合連発の17号3ラン。8日の広島戦(甲子園)では10勝を挙げている左腕・床田寛樹から18号ソロと9月無敗の8連勝に大きく貢献している。

ストライクゾーンを9分割したゾーン別打率は下のようになっている。

佐藤輝明のストライクゾーン別打率


打率3割以上を示す赤色に染まるのは内角と外角のベルトライン。逆に内外角低めは打率2割未満の青色だ。得意コースと苦手コースが表裏一体なのは分かるとして、偶然にも打率2割台のグレーゾーンがタイガースの「T」の字になっているのはタテジマの申し子かと思えてしまう。

話が逸れたが、いずれにしても低めのボール球に手を出すシーンが少なくないものの、どのコースも万遍なく打てている。セ・リーグ最多四球の同僚・大山悠輔が88四球、昨季まで3年連続四球王のヤクルト村上宗隆が81四球を選んでいることに比べると、52四球の佐藤がさらに選球眼を磨けば三振も減り、より怖い打者になるだろう。

また、打球方向もライトと右中間で50%を占めており、コースに逆らわずレフト方向にも安打を量産できれば打率も上がってくるはず。課題を挙げればキリがないが、何はともあれ、18年ぶりの「アレ」に向けて調子を上げているのは喜ばしい。

最長は清原和博の13年連続、牧秀悟は今季すでに達成

チームの優勝とともに今季クリアしておきたい数字が20本塁打。現在、18本打っており、あと2本でルーキーイヤーから3年連続20発となる。

連続20本塁打のNPB記録は王貞治の19年連続だが、「新人から」に限ると意外に少なく、3年以上は過去6人しかいない。ランキングは以下の通り。

ルーキーイヤーから連続20本塁打


最長は通算525本塁打を放った清原和博の13年連続。続いて現巨人監督の原辰徳がマークした12年連続となっている。「ミスターロッテ」有藤道世が8年、プリンスホテルから1989年ドラフト3位で近鉄入りした石井浩郎が5年で続く。

早稲田大学から中日に入団した森徹が1958年から記録した3年連続に今季並んだのが牧秀悟。中央大からドラフト2位でDeNA入りした、佐藤のプロ同期生だ。現在93打点を挙げており、初タイトルも視界に捉えている。

佐藤も同期生の活躍を指をくわえて見ているわけにはいかないだろう。自らのバットでチームを優勝に導き、それが史上7人目の記録にもつながれば最高だ。

これから間違いなく阪神打線を引っ張っていかなくてはいけない存在の佐藤。今季の優勝と3年連続20発が、今後さらなる飛躍のスタートとなるかも知れない。

※成績は9月11日現在

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