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阪神タイガースの優勝決定試合と歴代胴上げ投手、2023年は誰が舞う?

2023 8/25 06:00SPAIA編集部
阪神の岩崎優,ⒸSPAIA
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「Xデー」は9月20、21日の巨人戦?

阪神が優勝マジックを着々と減らしている。8月23日の中日戦も快勝し、京セラドーム大阪では球団史上初の今季8戦全勝。マジックは24となった。

こうなると、いつ、どこで、どのような試合で優勝が決まるのか予想する気の早いファンも出てくるだろう。9月20日、21日の巨人2連戦(甲子園)を「Xデー」に挙げる声もちらほら聞かれる。

阪神の9月中旬以降の日程は、17日から21日までDeNA2連戦、巨人2連戦と甲子園で4連戦(19日は試合なし)。その後、22日から神宮で2連戦、24日からバンテリンドームで2連戦とビジターで4試合を戦い、26日・ヤクルト戦と27日・中日戦は甲子園で予定されている。日程ばかりはどうしようもないが、できれば本拠・甲子園で決められれば最高だろう。

2リーグ分立後、5度のリーグ優勝を果たしている阪神。過去の優勝決定試合と胴上げ投手を振り返ってみたい。

1962年10月3日(甲子園):小山正明

藤本定義監督が率いた1962年、三宅秀史、吉田義男の1、2番に並木輝男、藤本勝巳、ソロムコらでクリーンアップを組んだ阪神は、小山正明と村山実の先発二本柱がフル回転。10月3日、甲子園で行われたシーズン最終戦の広島戦は小山が完封し、6-0で優勝を決めた。

同年の小山は5試合連続を含むシーズン13完封、47イニング連続無失点をマークするなど大車輪の活躍。27勝を挙げて、沢村賞にも輝いた。

しかし、日本シリーズでは第3戦まで東映を2勝1分とリードしながら4連敗。日本一を逃した。小山は翌1963年オフに山内一弘との「世紀のトレード」で大毎に移籍した。

1964年9月30日(甲子園):石川緑

小山との交換トレードで獲得した山内を4番に据えた1964年。村山実とジーン・バッキーが2人で計51勝を挙げた。

9月30日は甲子園で中日とのダブルヘッダー。第1試合は1961年オフに中日からトレード移籍した石川緑が先発し、見事に完投で10勝目。12-3の大勝で2年ぶりの優勝を決めた。

胴上げ投手となった石川は.769で最高勝率のタイトルを獲得。南海との日本シリーズ第3戦でも勝利投手となったが、チームは3勝4敗でまたも日本一はならなかった。

1985年10月16日(神宮):中西清起

第2次吉田義男政権が誕生した1985年。ランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布のクリーンアップを中心に打ちまくった阪神は優勝マジック1で神宮に乗り込んだ。

真弓明信の33号、バースの52号、掛布の39号などで5-5の同点のまま延長に突入。引き分けでも優勝が決まる状況で、最後はクローザーとしてこの年11勝19セーブをマークした中西清起が角富士夫を投ゴロに打ち取り、ゲームセット。実に21年ぶりの美酒に酔いしれ、大阪・道頓堀に飛び込むファンが出現するなど関西中が大フィーバーとなった。

さらに西武との日本シリーズでは、3勝2敗で迎えた西武球場での第6戦で初回に長崎慶一が満塁本塁打。リチャード・ゲイルが完投で球団初の日本一を決め、見事に胴上げ投手となっている。

2003年9月15日(甲子園)

星野仙一監督2年目の2003年は開幕から独走し、7月8日にマジック49が点灯。その後も白星を重ね、マジック2で迎えた9月15日は甲子園で広島とのデーゲームだった。

8回に片岡篤史のソロ本塁打で同点に追いつき、2-2で迎えた9回裏一死満塁から赤星憲広がサヨナラ打。「闘将」星野監督は赤星を抱きしめて喜んだ。

それから2時間以上が経ち、マジック対象のヤクルトが横浜に敗戦。18年ぶりの優勝が決まると、待ち続けた選手たちがグラウンドに飛び出し、ついに闘将が甲子園の夜空に舞った。

マジック2の時点でサヨナラ勝ちし、夜にヤクルトが敗れて他力本願での優勝だったため胴上げ投手にはなっていないが、この試合の最終回を締めて勝ち投手となったのは安藤優也だった。

ただ、日本シリーズでは王貞治監督率いるダイエーに3勝4敗で敗戦。それぞれの本拠地のみで勝ち「内弁慶シリーズ」と呼ばれた。

2005年9月29日(甲子園):久保田智之

岡田彰布監督が就任して2年目の2005年。ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の鉄壁のリリーフ陣は「JFK」と呼ばれ、快進撃の立役者となった。

マジック1で迎えた9月29日の巨人戦。5-0でリードした9回のマウンドに立ったのは、やはり久保田だった。1点を失ったものの、最後は阿部慎之助をレフトフライに打ち取りゲームセット。金本がライナー性の飛球をつかむと甲子園にジェット風船が舞い上がり、ゆっくりと歩いてマウンドに向かった岡田監督が胴上げされた。

しかし、日本シリーズではパ・リーグプレーオフから勝ち上がったロッテに4連敗。20年ぶりの日本一はならなかった。

そして2023年。18年ぶりの「アレ」に向かって突き進む岡田阪神は無事に栄光のゴールテープを切れるか。守護神として22試合連続無失点をマークしている岩崎優が胴上げ投手となるのだろうか。その瞬間はもうすぐ訪れようとしている。

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