阪神は全試合4番の大山悠輔が主砲の働き
セ・リーグは首位・阪神に優勝マジックが点灯した。16日に29を点灯させるとその後2勝2敗で26まで減少。2位・広島と7ゲーム差をつけている。3位DeNAは差を詰めたかったが、阪神との直接対決に1勝2敗と負け越し。4位・巨人も2勝3敗で、阪神が18年ぶり優勝へ一歩ずつ近付いている。
SPAIAでは8月15日から20日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

阪神は大山悠輔がwRAA1.9でチームトップだった。19日のDeNA戦では14号ソロを含む2安打2打点で勝利に貢献するなど、22打数8安打の打率.364をマーク。8月は月間打率.315と好調をキープしている。
ここまで全試合で4番を務める生え抜きの主砲。本塁打数(14本)にやや物足りなさは残るものの、61打点、71四球、7犠飛も含めていずれもチームトップだ。重圧に耐えながらケガもなく試合に出続けており、数字以上に貢献度は高いと言えるだろう。
DeNAの6年目捕手・山本祐大は攻守で貢献
2位・広島はマット・デビッドソンが3本塁打を放ってチームトップのwRAA3.9をマークした。6試合合計では21打数6安打の打率.286だったが、15日の阪神戦で12号ソロ、19、20日の巨人戦で13号、14号と2試合連発。逆転優勝に向け、チームを勢い付けるパンチ力は頼りになりそうだ。
DeNAは2017年ドラフト9位で入団してプロ6年目の捕手・山本祐大が10打数6安打でwRAA2.5だった。スタメンでの出場も増えており、17日のヤクルト戦では3安打猛打賞、18日の阪神戦では決勝二塁打を放ち、リードとバットで東克樹に10勝目をプレゼント。優勝争いは厳しい状況だが、25歳がチームに活気をもたらしている。
12球団トップのwRAA4.5を記録したのは巨人・秋広優人。19日の広島戦で3安打を放つなど17打数8安打の打率.471をマークした。高卒3年目のホープは一時調子を落としていたが、3番か5番で起用されながら貴重な経験を積んでいる。
ヤクルト・サンタナは村上宗隆の穴埋める、中日は木下拓哉がトップ
ヤクルトのドミンゴ・サンタナはwRAA3.1でチームトップだった。17日のDeNA戦で12号ソロ、20日の中日戦で決勝13号ソロを放つなど21打数8安打の打率.381、2本塁打、4打点。登録抹消された村上宗隆の穴を埋める活躍を見せた。
最下位の中日は木下拓哉がチームトップだったが、wRAAは0.5と寂しい数字。16日に一軍登録されると4試合で10打数3安打だった。16日の巨人戦では小笠原慎之介を好リードし、バットでも1安打を放って勝利に貢献している。
阪神が独走態勢を固めつつあるセ・リーグ。他球団もこのまま引き下がるつもりはないだろう。クライマックスシリーズ争いも視野に入れた今後の戦いぶりが注目される。
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