1954年に南海が18連勝
セ・リーグ首位を走る阪神が連勝を10に伸ばした。今季は5月にも9連勝を記録したが、今回は2007年以来16年ぶりとなる2桁連勝。甲子園が高校野球で使用されるため8月1日から恒例のロードに出たが、なんと11勝1敗の快進撃だ。
「死のロード」と呼ばれたのも今は昔。交通手段や宿泊施設が発達し、ドーム球場が増え、京セラドーム大阪も使用するため遠征は長くても3カード。特に今年のような暑い夏は、屋外の甲子園よりコンディション調整をしやすいかも知れない。
こうなるとどこまで連勝を伸ばすのか楽しみになる。過去をさかのぼると上には上がおり、NPB歴代最長は1954年の南海(現ソフトバンク)と1960年の大毎(現ロッテ)が記録した18連勝だ。
1954年、名将・鶴岡一人監督率いる南海ホークスは、岡本伊三美や木塚忠助、飯田徳治らが主力を形成。前年までリーグ3連覇しており、同年も好調だった。
7月終了時点では3位だったものの、8月22日の東映戦から破竹の快進撃。9月21日の西鉄戦まで引き分けなしの18連勝を記録し、首位に浮上した。
その後、西鉄に逆転を許し、91勝(49敗、勝率.650)を挙げながら、90勝(47敗3分け、勝率.657)の西鉄にペナントを明け渡したが、引き分けなしの18連勝は現在もNPB記録となっている。
1960年の大毎は1引き分けを挟んで18連勝
1960年には西本幸雄監督が指揮を執る毎日大映オリオンズがタイ記録を作る。
最年少で2000安打を達成した榎本喜八や通算396本塁打の山内和弘、前年に阪神から移籍した田宮謙次郎らを擁した「ミサイル打線」の猛打で4月から首位を快走。6月7日の阪急戦から同29日の近鉄戦まで1引き分けを挟んで18連勝を記録した。
最終的には82勝48敗3分けでリーグ制覇。日本シリーズは三原脩監督率いる大洋に4連敗したが、18連勝は燦然と輝いている。
セ・リーグ記録は巨人と中日の15連勝
セ・リーグ記録は1951年の巨人と1955年の中日の15連勝となっている。
1951年、水原茂監督率いる巨人は「打撃の神様」川上哲治、同年に32本塁打、105打点で二冠王に輝く青田昇らの活躍で開幕ダッシュに成功。7月16日の国鉄戦から8月3日の大洋戦まで15連勝を記録した。
そのままシーズンを逃げ切って79勝29敗6分け、勝率.731で優勝。日本シリーズでも南海に4勝1敗で日本一に輝いた。
1954年に優勝した中日は翌1955年、「フォークボールの神様」杉下茂らが活躍。7月28日の中日戦から8月18日の大洋戦まで15連勝を記録した。
最終成績は77勝52敗1分けで2位。ペナントは巨人が奪回した。
阪神の球団記録は1リーグ時代の14連勝
阪神の球団記録は、1937年秋と1946年の1リーグ時代に2度記録した14連勝。石本秀一監督が指揮を執る1937年秋、大阪タイガースは9月8日のイーグルス戦から10月4日の名古屋金鯱軍戦まで14連勝を記録した。39勝9敗1分けで2位・東京巨人軍に9ゲーム差をつけて優勝している。
1946年は藤村富美男選手兼任監督が指揮。「ダイナマイト打線」が爆発し、6月24日の近畿グレートリング戦から7月21日のセネタース戦まで14連勝した。
一度は首位に立ったが、最終的には3位。優勝は近畿グレートリング(現ソフトバンク)だった。
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