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中日・細川成也がついに素質開花、バウアーを驚かせた広角打法のスラッガー

2023 5/30 11:00SPAIA編集部
中日・細川成也,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

サイ・ヤング賞右腕から右へ左へソロ2発

昨オフの現役ドラフトでDeNAから中日に移籍した細川成也外野手(24)が調子を上げている。

5月27日のDeNA戦(バンテリンドーム)では、2020年のMLBサイ・ヤング賞右腕トレバー・バウアーから初回にレフトスタンドへ豪快な4号ソロを放り込み、6回にはライトスタンドへ5号ソロ。4打数4安打と猛打爆発し、バウアーに「これから彼について勉強しないといけない」と言わしめた。

現在、5月16日の阪神戦(豊橋)から11試合連続安打を継続中。5月は90打数33安打の打率.367、5本塁打、15打点、OPS1.017をマークしており、今季打率もリーグ4位の.340まで上昇している。同じく現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎とともに月間MVPの有力候補だろう。

高卒新人でデビュー戦から2試合連発

明秀日立高から2016年ドラフト5位でプロ入りして7年目。1年目の2017年10月3日の中日戦(横浜)でプロ初打席初本塁打となる3ランを放つ衝撃デビュー。さらに翌4日にも、高卒新人としては史上初のデビュー戦から2試合連続本塁打となる2号ソロを放ち、一躍その名を轟かせた。

力強い打撃でイースタン・リーグでは2020年に本塁打、打点の二冠王に輝くなど将来を嘱望されてきたが、佐野恵太、梶谷隆幸(現巨人)、オースティン、桑原将志らハイレベルの外野陣ではレギュラーを奪うには至らない。

一軍では2021年に37試合に出場したのが最多。本塁打も2年目以降は2018、2019、2020、2022年に1本ずつ打ったのみで昨季終了時点でわずか6本塁打だった。

外角ベルトラインは打率.517

DeNAではつぼみのままだった素質が中日で一気に開花。今季はすでにキャリアハイを更新する43試合に出場している。ストライクゾーンを9分割した今季のコース別打率は以下の通りとなっている。

細川成也のコース別打率


長距離砲にしては珍しく内角の打率が低い。.588のど真ん中に次いで高いのは外角ベルトラインの.517。さらに外角高めの.429、真ん中低めの.412と続く。逆に内角は高めもベルトラインも.200、低めは.111と最も低い打率となっている。

豪快なスイングからプルヒッターのイメージを抱きがちだが、意外に広角に打ち分けているのだ。今季の打球方向データは以下の通りとなっている。

細川成也の打球方向データ


最多は25%の左中間だが、レフト方向とともに右中間も24%でほとんど変わらない。バウアーを唖然とさせたように、右方向にも強い打球を打てるのは最大の強みだろう。

2013年から昨季までの10年間でAクラスわずか1回(2020年3位)と長期低迷している中日。最大の原因は貧打だったが、現役ドラフトで予想以上の補強ができた格好となった。広いバンテリンドームでアーチを架ける細川のバットにかかる期待は大きい。

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