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西武・隅田知一郎は菊池雄星になれるか?ドラ1本格派左腕が遠回りのプロ2勝目

2023 4/21 06:00SPAIA編集部
西武の隅田知一郎,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

12連敗で止め、389日ぶり白星

西武・隅田知一郎投手(23)が4月19日にベルーナドームで行われたソフトバンク戦に先発し、6回5安打1失点で今季初勝利を挙げた。プロ初登板で勝利投手となって以来、球団ワーストの12連敗を喫していたが、389日ぶりのプロ2勝目となった。

試合後、自身のツイッターでは「長いトンネルを抜けることが出来ました。どんな時も応援してくれるライオンズファンの皆さんは無敵です。ヒーローインタビュー泣きそうでした、、、これからも応援宜しくお願い致します」とツイート。暗闇を抜け出して差し込んだ眩い光に感激したことを明かした。

2021年ドラフトで4球団競合した左腕。2022年3月26日のオリックス戦に7回1安打無失点の完璧な投球で白星デビューを飾って以降、好投はするものの勝利の女神はそっぽを向いたままだった。

昨季は16試合で81.2回を投げて防御率3.75と悪い数字ではない。先発が6回以上を自責点3以内に抑えるクオリティスタート(QS)も6試合で記録した。

しかし、残ったのは1勝10敗という無残な成績。今季も開幕から連敗して12連敗にまで伸びていた。

貴重な先発左腕としてローテ定着できるか

左腕から小気味よく投げ込むストレートは146.1キロ。他にもチェンジアップ、カーブ、フォーク、カットボール、スライダーを駆使する。

ストライクゾーンを9分割したコース別データでは、右打者の膝元にくい込むクロスファイヤーが全体の22.2%を占めており、被打率も.000。左打者に対しても外角低めが24.1%と最多で被打率.000と打たれていない。対角線に投げ込むボールが生命線だ。

隅田知一郎のコース別データ


髙橋光成、今井達也、平良海馬(4月19日に登録抹消)、松本航ら右腕が多い西武の先発陣において貴重な左腕。今後もシーズンを通してローテーションの一角を担えば、自然と白星もついてくるだろう。

西武のドラ1本格派左腕と言えば、菊池雄星(現ブルージェイズ)が思い浮かぶ。隅田に雄星級の活躍を期待するのは酷だろうか。

「4球団競合」という看板が必要以上に期待を膨らませたが、まだ23歳だ。長いトンネルを抜け、涙でかすむその先には無限の可能性が広がっている。

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