阪神・湯浅京己が登録抹消
阪神の湯浅京己が4月16日に登録抹消された。2022年に最優秀中継ぎ投手に輝いた右腕は、今季すでに7試合に登板して5セーブ2ホールドをマークし、いまだ無失点と完璧なリリーフを見せていただけに、その衝撃は大きかった。
一部では右肘のコンディション不良と報じられ、真相は定かではないが、いずれにしてもベストコンディションでないことは確かだ。18年ぶりの優勝に向けて好スタートを切っていた阪神は、いきなりクローザー不在の危機に陥った。
湯浅は日本代表として第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)に出場し、3試合に登板。準決勝で佐々木朗希、山本由伸の後を受けて3番手で0.2回を抑えるなど、計2.2回を投げて2安打4奪三振無失点の成績を残した。
投手は滑りやすいとされるWBC使用球に対応する必要があり、大会前から手に馴染ませてきた。WBCで世界一という最高の結果を出し、終了後に再びNPB使用球に戻る過程で無意識のうちに負担がかかっていたとしても不思議ではない。
ましてやシーズン開幕前にピークに持っていったことで、いずれその反動が来るのは当然だろう。それが早いか遅いかの差はあれ、例年より余計にスタミナを使うことは間違いない。
西武・山川穂高、ヤクルト山田哲人も離脱
湯浅に限らず、WBC出場メンバーはシーズンに入って離脱した選手が少なくない。西武・源田壮亮は3月10日の韓国戦で右手小指を骨折しながらも、準々決勝以降は無理を押して出場。堅守で世界一に貢献したが、開幕一軍には入っていない。
源田とチームメイトの山川穂高も右ふくらはぎの張りで4月10日に登録抹消。WBCでは3試合出場で7打席しか立てず悔しい思いをしたため、シーズンへの意気込みは強かったが、無念の離脱となっている。
WBC決勝のアメリカ戦で2盗塁を決めるなど、攻守に渋い働きを見せたヤクルトの山田哲人も4月13日に登録抹消。チームの精神的支柱でもある主将離脱の影響は決して小さくないだろう。
また、離脱こそしていないものの村上宗隆も調子が上がらない。WBCから不振だったが、準決勝メキシコ戦では劇的なサヨナラ打を放ち、決勝アメリカ戦で特大の一発を放り込むなど上り調子と見られていた。にもかかわらず、シーズンではここまで打率.188、2本塁打。三冠王に輝いた昨季とは別人のような状態だ。
WBC決勝で先発したDeNA今永昇太も開幕一軍を外れ、シーズンでは一度も登板していない。もっとも、4月14日のイースタン・リーグ西武戦で6回10奪三振1失点と好投しており、今永の一軍昇格は近そうだ。
今後の大会で辞退者増加の懸念
WBC出場組でも巨人・戸郷翔征やロッテ・佐々木朗希、オリックス・山本由伸のように影響を感じさせない活躍をする選手ももちろんいる。海の向こうではエンゼルス大谷翔平も好調だ。
決して一概には言えないが、離脱した原因がWBC出場と全く無関係とは言い切れないだろう。目に見えない疲れや使用球の違いなどがじわじわと影響を及ぼしているのかも知れない。
日本中、いや、世界中を熱狂させたWBCだが、シーズンの成績に影響を及ぼしたとなると、今後の大会で辞退する選手が増える可能性もある。やはり開催時期などは議論を尽くす必要がある。世界一決定戦がますます盛り上がり、サッカーのワールドカップ並みに定着するためにはまだ時間がかかりそうだ。
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