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巨人のショートに新旧交代は起きるか?坂本勇人と門脇誠の「仁義なき戦い」

2023 3/29 06:00SPAIA編集部
巨人の坂本勇人と門脇誠,ⒸSPAIA
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オープン戦打率.111の坂本と.286の門脇

プロ野球セ・リーグは3月31日に開幕する。V奪回を目指す巨人は東京ドームに中日を迎え撃つ。

右肘の違和感で開幕マウンドを回避した菅野智之の状態も気掛かりだが、解決されていない懸案事項のひとつが、浮かんでは消える坂本勇人のコンバート案だ。

2020年に史上2番目の年少記録となる31歳10カ月で2000安打を達成するなど長年、不動のショートとしてレギュラーを張ってきたが、2022年は83試合出場で打率.286、5本塁打、33打点、11失策。高卒1年目だった2007年以来、100試合出場と2桁本塁打が未達に終わった。

今年のオープン戦はさらに深刻な不調で、14試合に出場して36打数4安打の打率.111、2打点。久々の安打を放った3月25日の楽天戦は、ショートのスタメンを門脇誠に譲り、6回から代打で途中出場だった。

その門脇は創価高から創価大を経て2022年ドラフト4位で入団したルーキー。今春キャンプからアピールを続け、オープン戦では16試合に出場して49打数14安打の打率.286、3打点をマークした。

身長171センチとプロにしては小柄ながら力強いスイングと強肩、体の頑丈さで、原辰徳監督から「ストロング門脇」と命名された22歳。通算2205安打の34歳・坂本を追いやるかと思わせる活躍を見せている。

「名手」宮本慎也や鳥谷敬もコンバート

坂本はショートへのこだわりを隠そうとしないが、体力も俊敏性も必要なショートの守備が加齢とともに負担になることは確かだ。長く続ければ続けるほどケガのリスクも高まる。

名手として鳴らした元ヤクルトの宮本慎也はプロ入り10年以上ショートで活躍した後、サードへコンバートされた。元阪神・ロッテの鳥谷敬も入団以来ショートを守り続けたが、晩年はサードへのコンバートを経験している。

30代半ばに入ると、いろいろな面で陰りが見えるのは仕方ない。ポジションを取って代わる若手選手が出てくるかどうかチーム事情にもよるが、自らのこだわりを捨ててコンバートを受け入れることは、長年レギュラーを張っている選手であればあるほど難しいことだろう。

しかも、巨人のサードには主砲・岡本和真がいる。WBCではファーストも守ったが、4番をサードからコンバートして打撃に悪影響が出るリスクを考えると動かすことは現実的ではない。

となると、仮に坂本をコンバートするならファースト、あるいは外野になる可能性もある。

打撃の調子上がらなければスタメン落ちの危機

ただ、現実的には守備練習をしないと簡単にコンバートできるはずもなく、まずはショートのポジションを死守することが大前提だろう。

しかし、そのためには打撃で結果を残し、門脇より必要だと認められる必要がある。開幕後も調子が上がらずオープン戦と同じ状態なら、スタメン落ちの危機に晒される日も遠くない。

坂本にとって17年目は勝負のシーズンだ。昨年は週刊誌沙汰もあり、ファンの人気も下降。首脳陣の信頼とともに、スター選手としての人気を取り戻すにはやはりバットで結果を出すしかない。

3年ぶりのペナント奪回を狙う巨人。開幕ダッシュが重要になるのはチームだけでなく、坂本個人としても同じだ。

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