一軍登板ゼロの山下舜平大が開幕候補に浮上
第5回ベースボールクラシックの佳境を迎える一方で、日本のプロ野球開幕も近付いてきた。パ・リーグ3連覇を狙うオリックスはリーグで唯一、開幕投手が明らかになっていない。
本来なら2年連続沢村賞に輝いた山本由伸だろうが、WBC出場で開幕から逆算したローテーションを組めず、シーズンに合わせた調整ができていない。さらに滑りやすいとされるWBC使用球から元のNPB使用球に戻ることもあり、ほぼぶっつけ本場で開幕を迎えるのは難しいだろう。
“代役”として浮上しているのが山下舜平大。福岡大大濠高から2020年ドラフト1位で入団した20歳の右腕は3月10日の巨人戦、同17日の広島戦と毎週金曜日に先発しており、このまま中6日を続け、31日(金)の西武との開幕戦(ベルーナドーム)のマウンドに立つのではないかと報道されている。
山下は身長190センチ、体重98キロの恵まれた体格から投げ込む重いストレートへの期待は以前から高かったが、いまだ一軍登板はなく、二軍で2年間合計26試合に登板したのみ。開幕戦で一軍初登板となれば、球団では1954年の梶本隆夫以来69年ぶりという。
2019年に最高勝率に輝いた山岡泰輔も順調に来ており、3年ぶりの大役を務める可能性もあるが、もし山下が3月24日(金)の阪神戦に先発すれば、いよいよ開幕戦で一軍初登板という異例の大抜擢が現実味を帯びてくる。
宮城大弥、宇田川優希、山﨑颯一郎も実戦不足?
オリックスからは山本以外にも宮城大弥、宇田川優希、山﨑颯一郎の3投手がWBCに召集されている。3人も状況は同じで、ブルペン待機してスクランブル登板に備えている。
使用球への対応もさることながら、実戦が不足している懸念もある。宮城は11日のチェコ戦に登板したのみ、宇田川は10日の韓国戦と11日のチェコ戦、山﨑は栗林良吏(広島)に代わって15日に合流したばかりということもあり、一度も登板していない。
当然ながら4投手ともにオリックスが日本一を目指す上で欠かせない存在。開幕ダッシュを決めたい時期に本来の実力を発揮できないとすれば、ダメージは小さくないだろう。
西武からFAで加入した森友哉はWBCを辞退し、チームの投手陣とコミュニケーションを取りながら特長をつかむことに専念した。もし、森までWBCに出場していたら主力バッテリーが開幕にベストで臨めなかった可能性もあり、首脳陣はさらに頭を悩ませていたかも知れない。
いずれにせよ、開幕は待ってくれない。WBC余波をもろに受けるオリックスは、逆境でも開幕ダッシュを決めることができるのか注目だ。
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