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WBC侍ジャパンに追加招集のオリックス山崎颯一郎をデータ分析、目標は日本一から世界一へ

2023 3/16 06:00SPAIA編集部
オリックスの山崎颯一郎,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

栗林良吏の離脱で出番

第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)の日本代表「侍ジャパン」のメンバー入りしている栗林良吏(広島)が腰の張りのため離脱し、代わって山﨑颯一郎(オリックス)が追加招集された。

山﨑は敦賀気比高から2016年ドラフト6位で入団した190センチの長身右腕。2022年は開幕一軍入りして先発として起用されたが4月に二軍落ちし、8月に一軍復帰してからは最速160キロの剛速球でブレイクした。

15試合に登板して2勝1敗6ホールド、防御率3.00の成績を残してリーグ連覇に貢献すると、クライマックスシリーズや日本シリーズでもセットアッパーとして活躍し、日本一の立役者の一人となった。

3月7日に京セラドーム大阪で行われた侍ジャパン対オリックスの強化試合では、日本代表のサポートメンバーとして9回1イニングを11球で締める好投。10日の巨人とのオープン戦でも、WBC公式球を使ってわずか7球で1イニングを終わらせるなど順調ぶりをアピールしていた。

正式発表を受けて「選んでいただき、とても光栄に思いますし、何にも変え難い貴重な経験をさせていただくことに感謝しています。宇田川に負けないように、そして日本の世界一に貢献できるように全力で腕を振ります」とコメントしている。

高めで三振奪える球威抜群のストレート

プロ7年目とはいえ、まだ一軍で通算24試合しか登板したことのない山﨑だが、角度、球威ともに惚れ惚れするようなストレートへの評価は高い。ストライクゾーンを9分割したコース別の2022年被打率は下の通りとなっている。

山﨑颯一郎のコース別被打率


投球割合15%以上を示す赤色は、打者の左右を問わず外角高めと低めに集中。平均150.8キロのストレートが抜けることもあり、やや荒れ気味とも言えるが、多くは外角にコントロールできていることが分かる。

たいていの投手は低めの変化球で三振を取ることが多いが、山﨑の場合、右打者に対しては外角高めが最多の4奪三振。しかも被打率.000だ。逆に外角低めは1三振しか奪っておらず、いかにストレートの球威があるかを証明している。

変化球はフォーク、カーブ、スライダーの3種類。特に平均140.4キロのフォークは被打率.189と決め球として機能している。62.9%を占める剛速球と21.4%を占めるフォークのコンビネーションが身上だ。

「吹田の主婦」キャラで人気

甘いマスクで女性人気も高く、ファンフェスタでエプロン姿を披露した「吹田の主婦」キャラもファンの間では浸透している。侍ジャパン入りを機に一気に全国区の人気者になっても不思議ではない。

決勝まで進出したとしても残りは3試合しかないだけに、出番がどの程度巡ってくるか分からないものの、一軍登板24試合の24歳右腕にとっては得難い経験となるだろう。

ともに昨年ブレイクしたチームメイトの宇田川優希が一足早く侍ジャパン入りしていたが、期せずして同じジャパンのユニフォームを着ることになった。「日本一の中継ぎコンビ」が今度は世界一を目指す戦いに突入する。

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