韓国戦で5回6安打4奪三振無失点
オリックスの黒木優太投手(28)が6日、京セラドーム大阪で行われたワールドベースボールクラシック(WBC)韓国代表戦に先発し、5回6安打無失点の好投を見せた。
3回にはカージナルスのトミー・エドマン、パドレスの金河成から2者連続空振り三振を奪うなど4奪三振。右肘のトミー・ジョン手術を乗り越え、今季から先発転向した右腕がローテーション入りをアピールした。
「テンポよくストライク先行で投げることを意識しました。しっかりと長いイニングを投げ切ることができましたし、ゲームを作ることができてよかったです。毎回ランナーを出してしまいましたが、無駄なフォアボールを出さずに、粘り強く投げることができたと思います」とコメント。一定の手応えをにじませた。
黒木は橘学苑高、立正大を経て2016年ドラフト2位でプロ入り。最速156キロのストレートでルーキーイヤーの2017年に開幕一軍入りし、55試合登板で6勝3敗2セーブ25ホールドの成績を残した。
翌2017年も39試合登板で1勝1敗17ホールドをマークしたが、2019年の春季キャンプで右肘痛を訴え、6月にトミー・ジョン手術。同年オフには育成契約となり、背番号124に変更した。
リハビリを経て2020年10月の二軍戦で実績復帰してからも完全復活と言える状態ではなかったものの、2022年にようやく4年ぶりの一軍登板を果たし、最終的に27試合登板で2勝2敗1セーブ5ホールドの成績を残している。
フォークの被打率.087
2022年の投球データでは、ストレートは平均147.3キロで被打率.262。出色なのは平均137.8キロのフォークが被打率.087とほとんど打たれていないことだ。スライダー、カーブも投げるもののストレートとフォークだけで全体の約8割を占めている。
ストライクゾーンを9分割したコース別の被打率は以下の通り。
投球割合15%以上を示す赤色は、右打者の外角低め、左打者の低め3コース。右打者の外角低めは被打率.143、左打者の外角低めと内角低めは被打率.000、真ん中低めは.200と抑えており、フォークを低めに集めていることが分かる。
黒木は右投げだが、対右打者は被打率.239、対左打者は同.180と左打者の方が相性が良い。シュート系の持ち球がないことも一因かもしれないが、右打者の内角を突けるかどうかがポイントだろう。実際、右打者の内角低めと内角ベルトラインは投球割合7%未満を示す青色に染まっている。
オリックスの先発ローテーションは、WBC日本代表に召集されている山本由伸と宮城大弥、左腕の田嶋大樹に山﨑福也、2019年に最高勝率に輝いた山岡泰輔らがひしめき合うハイレベルの争い。昨季リーグ2位のチーム防御率2.84をマークした投手陣に割って入るのは簡単ではない。
とはいえ、韓国相手に見せた好投は首脳陣にもアピールになっただろう。3月31日の開幕まで残り3週間。黒木がサバイバル合戦を勝ち抜けば、リーグ3連覇に向けて大きな底上げとなる。
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