メジャー通算40発79盗塁、走攻守三拍子そろうエドマン
3月に開催される第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)の韓国代表にMLBカージナルスで活躍する韓国系アメリカ人のスイッチヒッター、トミー・エドマン内野手(27)が選出された。
エドマンは1995年、サンディエゴ出身で、2016年ドラフト6巡目(全体196位)でカージナルス入り。2019年にメジャーデビューし、2021年には159試合に出場して641打数168安打の打率.262、11本塁打、56打点、30盗塁の好成績をマークして二塁手としてゴールドグラブ賞も受賞した。
2022年も153試合に出場して打率.265、13本塁打、57打点、32盗塁。メジャー通算471安打、40本塁打、175打点、79盗塁の成績を残している。
日本代表入りが有力視されるラーズ・ヌートバー外野手(25)とはカージナルスでチームメイト。母親が韓国出身で、夫人の父親は日本人という。身長178センチとそれほど大きくはないが、左右両打席とも広角に打ち分け、スタンドに放り込むパワーも持ち合わせている。走攻守三拍子そろったプレーヤーだ。
俊足強打のスイッチヒッター
メジャーでは4年間で459試合に出場し、出塁率.322、OPSは.732を記録している。2022年のNPBに照らし合わせると、出塁率はロッテ高部瑛斗(.324)、DeNA桑原将志(.322)に近く、OPSは前中日で楽天に移籍した阿部寿樹(.735)、日本ハム清宮幸太郎(.734)と同等の数字だ。
「出塁率-打率」で算出し、選球眼を示す指標「IsoD」は.053。日本ハム松本剛(.051)や巨人・吉川尚輝(.051)と同レベルだ。
三振を1つ喫するまでにかかる打席数を示す「PA/K」は6.02で、オリックス中川圭太(5.92)や桑原将志(5.94)と近い。「長打率-打率」で算出され、純粋な長打力を示す指標「IsoP」は.141で、西武・外崎修汰(.140)やロッテ中村奨吾(.135)と同等だ。
数値の近い日本選手から、エドマンは中距離打者というイメージが浮かび上がるだろう。しかもスイッチヒッターで足が速く、守備もいい。韓国としては大きな「補強」と言えそうだ。
エドマンとキム・ハソンのMLB二遊間?
日本は12人が先行発表されたのみだが、韓国野球委員会(KBO)はすでに代表メンバー30人を発表している。パドレスでダルビッシュ有とチームメイトでもあるキム・ハソン内野手(金河成=27)は2022年に11本塁打、MLB通算19本塁打を放つ強打者で、エドマンと二遊間を組むと見られる。
さらにメジャー通算61本塁打の左打者、パイレーツのチェ・ジマン内野手(崔志萬=31)も含め、3人の現役メジャーリーガーを選出している。
韓国国内組も、2008年の北京五輪で「日本キラー」として活躍した元カージナルスで現SSGランダースのキム・グァンヒョン投手(金廣鉉=34)や、2022年に35本塁打で韓国プロ野球の本塁打王に輝いたKTウィズのパク・ビョンホ内野手(朴炳鎬=36)、かつて中日でプレーしたイ・ジョンボム(李鍾範)氏の息子で2022年の韓国MVP、キウム・ヒーローズのイ・ジョンフ外野手(李政厚=24)らが名を連ねる。
WBCで韓国は日本と同じプールBに入っており、3月10日に1次ラウンド(東京ドーム)で対戦予定。いつの時代も、どんな競技でも日韓戦は火花を散らす。優勝に向け、日本にとって絶対に負けられない一戦であることは間違いない。
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