不完全燃焼に終わった山田哲人
昨年セ・リーグ連覇を成し遂げたヤクルト。今季は球団初の3連覇、そして日本一奪還を目指すシーズンとなる。そのキーマンとなるのがここ数年、不完全燃焼に終わっている山田哲人だ。
プロ12年目の昨季は23本塁打を放つも、打率は規定打席に到達した2014年以降でワーストの.243。140三振はリーグワーストと満足のいく結果は残せなかった。キャプテンとしての重圧もあっただろう。リーグ連覇の歓喜の輪の中では涙にくれた。
2年連続でオリックスと対戦した日本シリーズでは3戦目に先制3ランを放つなど2安打をマーク。しかし、その他の試合では無安打に終わり、球団初の連覇も逃した。
履正社高から2010年ドラフト1位で入団すると、高卒4年目の14年に日本人右打者最多のシーズン193安打を放ち最多安打のタイトルを獲得。15、16年に史上初の2年連続トリプルスリーを達成し、18年には打率.315、34本塁打、33盗塁で自身3度目のトリプルスリー達成と、一気に球界を代表する選手へと上り詰めた。
走攻守すべてでファンを魅了していたが、19年以降は徐々に成績が低迷。打率は最高でも.272、盗塁数はここ3年8、4、10と激減している。過去の活躍が鮮烈だっただけに、近年の成績には物足りなさが残る。今年31歳、まだまだ衰えるような年齢ではない。今後も村上とともに打線を牽引してもらわなければ困る選手だ。
キャプテン3年目の今季は、球団初のリーグ3連覇がかかっている。野村克也監督時代の黄金期でもなしえなかった偉業達成には、山田の活躍は欠かせない。3年連続の胴上げを今年はうれし涙で彩ることができるか。キャプテンの打棒復活が待たれる。