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西武V奪回のキーマン 自己ワースト9試合登板の今井と59打席連続無安打の西川が期す逆襲の1年

2023 2/6 06:00SPAIA編集部
西武の今井達也,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

エースへ脱皮期待される今井達也

プロ野球の12球団で唯一春季キャンプが始まっていなかった西武が2月6日、いよいよキャンプインする。松井稼頭央新体制となって初めてのシーズンでどのような戦いぶりを見せるのか注目が集まる中、4年ぶりのV奪回を目指す今季、投打のキーマンとなりそうな2人の選手を取り上げたい。

投手のキーマンは、昨季わずか9試合の登板に終わった今井達也だ。高橋光成、松本航とともに「先発三本柱」としてエース級の活躍を期待される2016年ドラ1右腕。しかし、3人の中で唯一2ケタ勝利を挙げられていない。

プロ5年目の一昨年は自身最多の25試合に先発して初めて規定投球回をクリアし、自己最多の8勝を挙げた。だが、初の2ケタ勝利が期待された昨季は、内転筋を痛め開幕直前に戦線離脱。さらに、復帰に向け調整登板したファームの試合で今度は左足首を負傷し、一軍復帰は7月までずれ込んだ。シーズン最終盤にも発熱の影響で離脱し、最終的に一軍登板は9試合のみ。プロ2年目に一軍定着して以降では自己ワーストの数字に終わった。

ただ、9試合で残した成績は前年までとは別物だった。59.2イニングで61奪三振、5勝1敗で自身初の貯金を作り、防御率2.41もキャリアハイ。試合数は少ないながらもこれまでにない安定感を見せていた。

このオフには背番号も変更。プロ1年目から付けていた「11」から、昨季限りで現役を引退した師匠・武隈祥太が背負っていた「48」に。心機一転、尊敬する先輩が付けていた番号を受け継ぎ、今季へかける思いは強い。

常時150キロを超える速球に、高速スライダーなど多彩な変化球はどれも一級品。未だ達成していない2ケタ勝利は、最低限の数字と言っても過言ではないポテンシャルを持っている。2023年、レオのエースへと成長した姿を示したい。

59打席無安打続く西川愛也

一方の野手では、6年目を迎える西川愛也の名前を挙げたい。2017年、花咲徳栄高3年時に出場した夏の甲子園では大会を通じて3番打者を務め、9安打10打点と活躍。母校を埼玉県勢初の優勝へと導いた。その年のドラフト2位で西武に指名され、将来の中軸候補として期待され入団した。

だが、その超高校級のスプレーヒッターが一軍の舞台で苦しんでいる。本拠地メットライフドーム(現ベルーナドーム)で行われた2020年8月16日の楽天戦、デビュー戦の2打席目にプロ初安打となる二塁打を放ってから59打席、安打が出ていないのだ。

プロ初安打までは順調すぎるほど順調だった。もともと高校時代に右大胸筋断裂の大けがを負っており、1年目はファームでも全試合DHでの出場。2年目から守備にもつき始め、チーム最多103試合に出場するなど経験を積んだ。そして、3年目に一軍デビュー戦でプロ初安打と順風満帆に思えたプロ生活だったが、思わぬ泥沼にはまった。

4年目の2021年は自身初の開幕一軍、開幕スタメン入りを果たすも、27打席無安打で二軍落ち。5年目の昨季は自己最多の35試合に出場するも30打席ノーヒットで、シーズンを終えた。二軍では一定の結果を残しているが、一軍の壁を破れず、ついに不名誉な野手ワースト記録に並んでしまったのだ。

だが、これだけ安打が出ない中で昨季35試合に起用されたのは、首脳陣からの期待の表れでもあるだろう。勝負の6年目となる今季、西川自身も殻を打ち破るべく、このオフはチームの主砲・山川穂高の自主トレに参加し、研鑽を積んだ。

同学年には史上最年少の三冠王となったヤクルトの村上宗隆や、清宮幸太郎ら高校1年時から甲子園で活躍し、有名だった強打者たちの名前が並ぶ。だが、その高校時代、最後の夏に頂点に立ったのは西川のいる花咲徳栄だった。

送球がままならないほどの大けがを乗り越えて、主役の座に上り詰めた甲子園のスーパーヒーローが、プロの舞台でも逆境をはねのけ、主役へと躍り出る。

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