健在ぶりを証明した2023年の坂本
2023年の巨人・坂本勇人は116試合に出場して打率.288、22本塁打、60打点の成績を残した。2022年はルーキーイヤー以来15年ぶりの100試合割れとなる83試合出場にとどまり、打率.286、5本塁打、33打点と屈辱的な成績だったが、健在ぶりを証明するシーズンとなった。
榎本喜八に次ぐ31歳11カ月の若さで通算2000安打を達成した強打者が、史上最多記録の更新を期待できるのが二塁打だ。2023年は29本を上積みして通算445二塁打。長嶋茂雄の418本、王貞治の422本を抜き去って球団最多に躍り出た。
今後期待されるのは立浪和義が持つNPB最多の487二塁打、さらにイチローが持つ日米最多573二塁打の更新だ。
NPB最多二塁打は立浪和義の487本
日米通算二塁打ランキングを見てみよう。坂本は歴代10位にランクインした。
歴代1位のイチローは573二塁打(NPB:211本、MLB:362本)で群を抜いている。2位が松井稼頭央の535二塁打(NPB:411本、MLB:124本)、3位が福留孝介の520二塁打(NPB:409本、MLB:111本)で500本超えは3人しかいない。
4位・松井秀喜の494二塁打(NPB:245本、MLB:249本)に次ぐ5位の立浪和義が、NPBのみでは歴代1位の487二塁打をマークしている。
ここまでスイッチヒッターの松井を除いて全員が左打者。右打者トップは歴代6位・井口資仁の458二塁打(NPB:367本、MLB:91本)で、右打者に限れば、坂本は井口、山内和弘(448二塁打)に次いで歴代3位なのだ。本塁打とは違い、スピードも必要な二塁打をこれだけ量産していることが高い野球センスを証明している。
先述の通り2023年は二塁打29本だったが、30本以上放ったシーズンも5回ある。立浪のNPB最多記録にはあと42本に迫っており、史上4人目の500二塁打も十分に射程圏内。イチローの日米通算最多記録にもあと128本で、決して更新不可能な差ではない。
12月で35歳になるとはいえ、まだ老け込む年齢ではないだろう。歴代6位タイで現役最多の日米通算458二塁打をマークしている青木宣親はすでに41歳。坂本にとっては手本とも言える大ベテランだ。坂本が息の長い活躍を見せれば見せるほど、偉大なる先達の記録に迫ることになる。
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