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【ルーキー通信簿】西武は隅田、佐藤がプロ初先発初勝利、育成2位の滝澤が源田不在の窮地救う

2022 11/12 11:00SPAIA編集部
西武のルーキー通信簿,ⒸSPAIA
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隅田知一郎と佐藤隼輔が先発の穴埋める活躍

2022年のプロ野球界は、ロッテの松川虎生が高卒捕手として史上3人目の開幕マスクをかぶり、巨人の大勢が新人最多タイの37セーブを挙げるなど、ルーキーの活躍が目立つ1年となった。

そこで球団ごとに一軍で活躍したルーキーの通信簿を作成してみた。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目を5段階で評価している。

今回は昨年の最下位にから巻き返し、Aクラスの3位に入った西武を見ていこう。

西武のルーキー通信簿インフォグラフィック


まずは投手。西武ではドラフト1位の隅田知一郎(西日本工業大)と2位の佐藤隼輔(筑波大)の両左腕が一軍の戦力となった。

隅田は開幕2戦目の先発を任されると、7回1安打無失点でプロ初登板初先発初勝利を飾った。だが、以降は1勝も挙げることができず、パ・リーグ新人初の10連敗。8月には中継ぎも経験した。ただ、防御率は3.75とルーキーとしては及第点の数字を残している。

一方の佐藤も3月29日の日本ハム戦でプロ初登板初先発初勝利。5月までに3勝を挙げる活躍を見せた。だが、その後は調子を落として二軍落ち。9月に再昇格後は中継ぎとして登板を重ね、最終的には12試合に登板して3勝4敗、防御率4.60の成績を残した。

投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。

隅田は直球の平均球速が145.1キロと先発左腕としては速く、球威の評価は「4」。BB%は8.4、K%は20.4といずれも一軍平均レベルで評価は「3」、FIPも2.70と優秀で総合評価は「4」となった。見た目の成績ほど投球内容は悪くなかったようだ。

成績が振るわなかった1つの要因として、打線の援護が少なかったことが挙げられる。援護率は1.98と9イニングで援護点が2点に満たず、ルーキーにとっては酷な状況だった。年間通してパフォーマンスを維持できなかった面はあるが、十分一軍レベルで通用するだけの投球は見せていた。来季は体力面での課題を解消できれば、自ずと結果も付いてくるだろう。

佐藤は平均球速145.0キロと隅田と同程度だったが、BB%は10.6、K%は16.1といずれも平均を下回り評価は「2」。FIPは3.25で総合評価は「3」となった。来季は投球の精度を上げ、年間を通して一軍で活躍したいところだ。

その他、4位の羽田慎之介(八王子高)は二軍で5試合に登板して防御率7.04、5位の黒田将矢(八戸工大一高)も二軍で10試合に登板して1勝3敗、防御率8.20の成績を残している。

育成2位の滝澤夏央が源田の代役務める

野手では3位の古賀悠斗(中央大)、育成2位の滝澤夏央(関根学園高)が1年目から一軍デビューを飾った。

捕手の古賀は5月5日のロッテ戦でプロ初スタメンマスクをかぶるなど、計26試合に出場。打率.155、1本塁打、4打点と打撃では振るわなかったが、20試合でスタメン出場するなど、貴重な経験を積んだ1年目となった。

滝澤は遊撃レギュラーの源田壮亮が離脱したことを受け、5月13日に支配下登録されると、即スタメン出場し初安打をマーク。翌日には逆転のタイムリー三塁打を放ち勝利に貢献するなど、チームの窮地を救う活躍を見せた。最終的には48試合に出場し打率.224の成績を残している。

野手の各項目は、パワーがリーグの平均ISO(=長打率-打率:長打力を示す指標)、選球眼は同BB/K(四球と三振の割合から打者の選球眼を見る指標)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定した。

古賀は7月20日にプロ初本塁打をマークしたが、71打席で本塁打はこの1本だけだったこともあり、ISOは伸びず.086でパワー評価は「2」。一方でBB/Kは0.56と新人にしてはアプローチの良さを見せ、選球眼は「4」となった。来季は正捕手の森友哉がFA移籍で抜ける可能性もあるだけに、オフに課題改善に取り組み一気に正捕手奪取を狙いたい。

滝澤は高卒1年目ということもあり、ISOが.047、BB/Kが0.19でともに「1」と最低評価になってしまったが、spdは5.80で走力評価は「4」と持ち味はしっかり発揮していた。来季は打撃を鍛え上げ、将来のレギュラー獲りへ備えたい。

ドラフト6位の中山誠吾は、一軍では1試合のみ出場。二軍では44試合(112打席)、打率.149、2本塁打、16打点の成績だった。

2022年ドラフトでは、早稲田大の蛭間拓哉、佐伯鶴城高の古川雄大を上位で指名し、近年レギュラー不在が続く外野手の補強を中心に行った西武。来季も優勝争いに加わるためには戦力の底上げが必須なだけに、今年のルーキーたちのように即戦力としての活躍に期待がかかる。

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