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2022年巨人のドラフト補強ポイント 左腕とショートと高松商・浅野翔吾

2022 10/10 11:00SPAIA編集部
巨人・原辰徳監督,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

リーグワーストのチーム防御率改善に必須の即戦力左腕

2年連続V逸となった巨人。3位・阪神に0.5差及ばずクライマックスシリーズ進出も逃した。村田修一一軍打撃兼内野守備コーチらコーチ6人が退任し、来季の原辰徳監督が結果を求められることは間違いない。

10月20日に開催されるドラフト会議では、チーム再建へ向けての戦力強化において最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含め巨人のドラフト補強ポイントを考えていく。

巨人の先発投手,ⒸSPAIA


先発投手の勝ち頭は12勝の戸郷翔征。エース菅野智之が10勝で続く。誤算は実績のある山口俊が未勝利、2021年に11勝を挙げた髙橋優貴が1勝に終わったことだろう。5勝を挙げた山﨑伊織や赤星優志ら若手の台頭もあったが、助っ人外国人は計算が立ちにくいことを考えると、やはり頭数が足りない。

チーム防御率はリーグワースト。菅野も決して若くないだけに即戦力、特に手薄な左腕がいれば欲しいだろう。

巨人のリリーフ投手,ⒸSPAIA


続いてリリーフ陣。クローザーに今季37セーブを挙げた大勢が固定できたのは心強い。他球団のルーキーと比較しても、昨年は巨人が最も実りの多いドラフトだったと言えるだろう。

中継ぎ陣では高梨雄平が25ホールド、今村信貴が21ホールド、平内龍太が13ホールド、鍬原拓也が13ホールドをマーク。頭数は足りているが、絶対的な信頼感に欠けることも確かだ。「勝利の方程式」を確立するため、先発陣とのシャッフルも含めてどのように起用するかは原監督の腕の見せどころだろう。優先度は低いものの、球威のある即戦力がいれば指名する手か。

コンバート案も浮上した坂本勇人

巨人の捕手,ⒸSPAIA


捕手は大城卓三が自己最多の13本塁打、43打点をマークした。リード面も含めてまだ粗削りな部分はあるが、成長の跡は見てとれる。

ただ、一軍で実績のある捕手は大城以外に小林誠司しかおらず、長い目で見て補強しておく必要はありそうだ。将来性のある高校生を指名するのも一手かも知れない。

巨人の内野手,ⒸSPAIA


内野手は主力の高齢化が進んでいる。特に坂本勇人は連続2桁本塁打が13年でストップするなど悔しいシーズンとなった。12月で34歳となるだけにコンバート案が浮上したこともあり、ショートの後継者育成は急務と言える。

岡本和真の4番サードは不動だろうが、ファーストの中田翔も安定感に欠ける。セカンドの吉川尚輝も含め、レギュラー争いを活性化させるような存在が欲しい。

巨人の外野手,ⒸSPAIA


外野手は丸佳浩が安定した働きを見せており、センターは不動。両翼はウォーカー、ポランコの両助っ人や松原聖弥、八百板卓丸、重信慎之介らがポジションを争うものの物足りなさは否めない。

球団はすでに高松商高のスラッガー、浅野翔吾の1位指名を公表しており、獲得できれば1年目から出場する可能性もある。不足気味の右打ちという点も魅力だ。ただ、過去の傾向では1位指名が重複した場合のくじ運が悪いため、抽選で外れた際の「次の一手」も重要になるだろう。

是が非でも引き当てたい浅野翔吾

以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.浅野翔吾
抽選だけは自分の力でどうにもならないが、浅野翔吾の指名が重複した場合、当たりくじを引けるかどうかはドラフトの成否を大きく左右する。今年のドラフト候補は「不作」とも言われており、抽選を外した場合のダメージは例年以上に大きい可能性がある。補強ポイントにあえて浅野の名前を挙げたのはそのためだ。

2.即戦力左腕
来季ペナントを奪回するためには、投手陣の立て直しは必須条件。先発、中継ぎを問わず、即戦力左腕はぜひとも欲しいところだ。ただ今年は即戦力となる左腕候補が少ない。最有力候補となる白鴎大・曽谷龍平は1位指名が有力で、浅野の1位指名を公表した巨人とは縁がなさそう。上位で即戦力投手を狙うなら益田武尚(東京ガス)、吉村貢司郎(東芝)ら、社会人右腕が候補となるだろう。

3.ショート坂本勇人の後継者
どれほどの守備の名手でも現役晩年はコンバートされることが多いショート。坂本にいつまで任せられるか分からないが、備えておく必要はある。高校生なら誉高のイヒネ・イツアを狙いたい。攻守に粗さはあるが身体能力抜群で、伸びしろは計り知れない。坂本のような強打のショートとなれる逸材だ。即戦力なら打力は劣るが、友杉篤輝(天理大)、奈良間大己(立正大)らが候補となる。

巨人はコーチ陣が大幅に入れ替わり、チーム内の危機感は相当なものだろう。来季は優勝が至上命題。そのために何が足りないかを逆算して補強する必要がありそうだ。

※表の年齢は2022年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月7日時点)

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