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西武がシーズン防御率“歴代1位”確実、12球団唯一2桁失点なしの可能性も

2022 10/2 06:00SPAIA編集部
(左から)西武の髙橋光成と増田達至
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ⒸSPAIA

4年連続リーグワーストから大躍進

楽天との壮絶な争いを制し、2年ぶりのAクラス3位となりCS進出を決めた西武。昨季は42年ぶりの最下位となる屈辱を味わったが、そこから見事な復活を果たした。この躍進を支えたのはなんと言っても投手陣だろう。

4月22日に球団29年ぶりとなる3試合連続零封勝利を達成するなど、今季は20度の零封勝ちを記録。先発、中継ぎともに安定した働きで、チームの失点数は昨季の589からリーグ最少の444(142試合消化時点)と、大幅に減らすことに成功した。

防御率も昨季は3.96で4年連続リーグワーストだったが、今季は2.74と大幅に良化。チーム防御率が2点台でシーズンを終えるのは、1995年の東尾修監督時代以来、27年ぶりとなる。

さらに、このままいくと今季のシーズン防御率は1979年に埼玉県・所沢市に本拠地を移転し"西武"を冠して以降で、歴代1位となる。これまでのトップは1987年と1993年に記録した2.96。今季の残り試合は最終戦の1試合のみのため、記録更新は確実な状況だ。

西武の過去のシーズン防御率2点台

新人からベテラン、助っ人まで全員野球で成し遂げた快挙

今季の西武投手陣は決して順風満帆ではなかった。昨年自身初の規定投球回に到達し、今季も先発の軸として期待された今井達也が開幕直前に故障で離脱。わずか9試合の登板にとどまった。また、コロナ禍に見舞われた4月には水上由伸や佐々木健、7月には増田達至が離脱するなど、勝利の方程式が崩壊しかけた時期もあった。

それでも、他の投手がその穴を埋める活躍を見せた。先発で目立ったのは新外国人助っ人のディートリック・エンスだ。今季来日した左腕は先発ローテーションの一角として10勝7敗、防御率2.99の好成績で、球団の外国人左腕では69年ぶりとなる2桁勝利をマークした。

中継ぎでは本田圭佑。プロ7年目右腕は昨季まで主に先発として登板していたが、新型コロナ禍の窮地に中継ぎとして4月下旬に昇格。すると、今季初登板から12試合連続無失点を記録し、一時は勝利の方程式を担うなど目覚ましい活躍を見せた。

他にも、自己最多12勝をマークしたエース髙橋光成や、守護神・増田達至の復活、ルーキーの隅田知一郎と佐藤隼輔の大卒ドラ1、2コンビの好投など、好要因を探せば枚挙にいとまがないほど、投手陣全体の底上げに成功していた。

12球団唯一の2桁失点試合なしがかかる最終戦

4年連続リーグワーストの防御率だった西武投手陣。2018-20年の3年間に至っては4点台だったが、昨年は3.94と改善の兆しを見せていた。ただ、それにしても今年のこの大躍進を誰が予想しただろうか。

そして、今日2日のシーズン最終戦にはもう1つの記録がかかっている。西武の今季1試合最多失点は、7月24日の楽天戦(2-9、ベルーナドーム)と9月13日のソフトバンク戦(0-9、PayPayドーム)の2試合で喫した9。ここまで12球団で唯一2桁失点試合がないのだ。

4年連続リーグワーストから投手王国へと変貌を遂げたライオンズ投手陣。レギュラーシーズンの締めくくりに新たな勲章をまた一つ加えることができるだろうか。

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