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ソフトバンク松田宣浩が退団を決意した背景、40歳までプレーしたい意欲と息子の存在

退団を発表したソフトバンクの松田宣浩,ⒸSoftBankHAWKS
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ⒸSoftBank HAWKS

10月1日の二軍戦でホークス最後の雄姿

ソフトバンクの松田宣浩内野手(39)が28日、会見を開き、今季限りで退団することを表明した。

今季は43試合出場で打率.204、7打点。プロ入り以来初めて1本も本塁打を打てていない。一軍登録を抹消された9月8日に球団から来季は構想外との話があり、藤本博史監督にも相談した結果、引退か、退団して現役続行かを熟考することになったという。二軍で若手に交じって汗を流し、ウエスタン・リーグの公式戦にも出場する中で現役への思いが膨らんだ。

一軍が激しい優勝争いをしながら11連戦を終えた翌日の21日に退団を報告。17年間、慣れ親しんだホークスのユニフォームを脱ぐことを決断した。

「若い選手と練習を頑張り、気付いたのは野球が大好きということと体がまだまだ元気ということ。40歳までプレーしたい気持ちが強く、自分から辞める決断には至りませんでした」。ペナントレースが佳境のため、ごくわずかなチームメイトにしか伝えられていないが、夫人にその意思を伝えると理解を示されたという。

現役続行を決断した背景には、ホークスジュニアに所属する息子の存在もある。「小6になってホークスジュニアの選考会に受かり、必死に練習しています。家でもバットを振ったり、体を鍛えたりしている。父親としてサポートしてあげたいし、ユニフォームを着てる姿を見せてあげたい」と話す顔は父親のそれだった。

本来なら全日程終了後に会見を開くのが通例だが、長年応援してきたファンにホークスのユニフォーム姿で別れを告げるため、シーズン中の発表となった。10月1日にタマスタ筑後で行われるウエスタン・リーグ中日戦でホークス最後の雄姿を披露する。

「ファンの皆様に見ていただくことなくホークスのユニフォームを脱ぐことはできない。球団やNPB、選手会にも動いていただき、このような機会をいただきました」と感謝の気持ちを述べた。

オファー待つのはNPBのみ

中京高時代に高校通算61本塁打をマークし、亜細亜大を経て2005年ドラフトの希望枠で入団した17年前、プロの高いレベルに驚き、ショックを受けた。当時の心境を「このままだと通用しないなと思った」と振り返る。

地道な努力を積み重ね、2013年と2017年にWBC(ワールドベースボールクラシック)、2015年と2019年にはプレミア12にも出場。通算1831安打、301本塁打、991打点の成績を残した。「2000安打への意識はない」としたが、あと9に迫っている1000打点には意欲を見せる。

10月1日以降は自分で練習場所を探し、体を動かしながら他球団のオファーを待つ。独立リーグなどは頭になく、合同トライアウトを受けるつもりもない。「NPBのみで待ってます」とキッパリ言い切った。

「来年40歳になるし、バリバリレギュラー狙う立ち位置でもない。17年間で経験したことを還元できたらいい」。 野球への情熱と熱いパフォーマンスで「熱男」と親しまれた松田。自分に正直に生きる、真っすぐな男の野球人生はまだ終わらない。

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