ヤクルト村上宗隆は7四球でチームに貢献
プロ野球セ・リーグは首位ヤクルトの優勝マジックが「6」に減った。12日以降で1勝3敗1分けとじれったい展開が続くが、2位DeNAも3勝4敗と星を落としたため、少しずつ連覇に近付いている。
20日以降は東京ドーム、バンテリンドーム、神宮と変則6連戦が組まれており、最短優勝は22日。22日からは神宮での試合が続くためホームで胴上げの可能性が高まっている。
SPAIAでは9月12日から19日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
ヤクルトは村上宗隆がwRAA3.8でチームトップだった。期間中の5試合で計15打数4安打の打率.267にとどまったが、7四球を選んだ。なかなか勝負してもらえない厳しい状況ではあるが、しっかりボールを見極め、できる限りの貢献をしているあたりは主砲の責任感だろう。
13日の巨人戦では54号、55号を放ち4打点。20日の巨人戦を含めて残り12試合でどこまで記録を伸ばすか。そのバットには日本だけでなく、メジャーからも熱い視線が注がれている。
DeNA楠本泰史、阪神・佐藤輝明も好調キープ
DeNAは楠本泰史が先週に続いてチームトップのwRAA2.5を記録した。東北福祉大から入団5年目の今季は82試合に出場して打率.266。17日の広島戦、18日の巨人戦と2試合連続マルチ安打を記録するなど、先週は14打数6安打の打率.429をマークした。9月の月間打率は.464。強打者の並ぶDeNA打線でまた一人、有望な若手がメキメキと実力をつけている。
3位・阪神は広島、巨人とゲーム差なしに迫られており、クライマックスシリーズ進出へせめぎ合いが続いている。先週は佐藤輝明がwRAA2.0でチームトップ。17日の巨人戦では90打席ぶりとなる19号ソロを放つなど6試合連続安打を継続しており、調子は上向きつつある。CS進出のために佐藤の復調は欠かせない。
セ・リーグトップのwRAA5.0をマークしたのは広島の西川龍馬。期間中は雨天中止もあったため4試合しか消化できていないが、西川は4試合中3試合で猛打賞を記録するなど17打数10安打の打率.588、1本塁打と大暴れだった。約2カ月の登録抹消があったため規定打席には達していないが、シーズン打率は.315のハイアベレージ。CS争いを勝ち抜くには頼りになる存在だ。
中日は岡林勇希が躍動
巨人・岡本和真がようやく復調してきた。期間中の4試合で15打数6安打の打率4割、wRAA4.4をマーク。13日のヤクルト戦では26号、27号と2打席連発、18日のDeNA戦でも28号を放つなど本塁打の量産ペースを上げている。チームがCS進出するためにも、自身の5年連続30発はぜひともクリアしたい。
中日は岡林勇希がwRAA1.8でチームトップだった。5試合で計19打数7安打の打率.368。菰野高から入団3年目の20歳にとって、日々貴重な経験を積んでいると言えるだろう。チームは最下位に沈んでいるが、若い芽は着実に育っている。
今週中に優勝が決まる可能性もあるセ・リーグ。CS争いやタイトル争いも含め、どんなフィナーレが待っているのだろうか。最後の最後まで目が離せない。
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