中村剛也が球団記録を更新中
2023年の西武は主砲・山川穂高が自身の不祥事で離脱した影響もあり、リーグワーストの435得点と貧打に泣き、5位に沈んだ。チーム本塁打数も2013年以来の2桁台となる90本に終わり、リーグで唯一100本塁打に届かなかった。
ただ、その打線の中で、ベテランの中村剛也が存在感を放っていた。今季不惑を迎えた長距離砲は、88試合の出場ながらチームトップの17本塁打をマーク。自身が持つ通算本塁打の球団記録も471本まで伸ばし、大台の500本塁打にも着々と迫りつつある。
6度の本塁打王は、王貞治(15度)、野村克也(9度)に次ぐ歴代3位。4月29日の楽天戦で記録した史上初の2000三振は、自分のスイングを貫き通したホームランアーチストとしての勲章と言えるだろう。
では、このライオンズの“生けるレジェンド”に続く本塁打を記録しているのは誰なのだろうか。前身の西鉄、太平洋クラブ、クラウンライター時代も含めたトップ10のランキングは以下の通りとなっている。
2位は329本塁打の清原和博。PL学園高時代に桑田真澄(元巨人)とのKKコンビで5季連続甲子園出場を果たし、1985年ドラフト1位で西武へ入団した。1年目から新人最多タイとなる31本塁打、高卒新人歴代最高の打率.304、78打点をマークし、新人王を獲得。その後も球団最多となる1121試合で4番を務め、8度のリーグ優勝、6度の日本一を果たし、西武黄金時代を支えた。
1996年のオフにFA宣言し、憧れていた巨人へと移籍。通算ではNPB歴代5位となる525本塁打を放っている。
西鉄、西武の黄金期を支えた名選手たちがランクイン
3位は328本塁打で秋山幸二。清原と同じく西武黄金期を支えた一人で、オレステス・デストラーデと3人でクリンナップを形成し、AKD砲と呼ばれた。1985年から3年連続40本塁打を放ち、1987年には43本塁打で本塁打王に輝いた。
1989年には史上5人目のトリプルスリーを達成、翌年には35本塁打、51盗塁を記録し、史上初の本塁打王経験者による盗塁王となった。1993年オフにダイエーとの3対3の大型トレードが成立し、ダイエーへ移籍した。
4位は273本塁打のアレックス・カブレラ。2001年に来日すると、1年目から49本塁打を記録し、翌年には当時の日本タイ記録となるシーズン55本塁打をマークした。さらに、翌2003年にも50本塁打を放ち、3年間で150本塁打以上を記録した史上初の選手となるなど、驚異的なペースで本塁打を量産。在籍年数わずか7年での4位ランクインとなった。
5位は中西太の244本塁打。無類の飛距離を誇った“怪童”は高松一高から1952年に西鉄へ入団すると、1953年に36本塁打、86打点で本塁打、打点の2冠に輝いた。その後も三冠王に迫る活躍を何度も見せ、本塁打王5回、首位打者2回、打点王3回を獲得。西鉄黄金期を支え、1969年限りで現役を引退した。
6位は235本塁打の石毛宏典。プリンスホテルから1980年ドラフト1位で西武に入団すると、ルーキーイヤーに打率.311、21本塁打、55打点をマークし、新人王と遊撃手のベストナインを獲得した。以後、チームリーダーとして西武黄金時代を支え、1994年オフにFA権を行使して、ダイエーへと移籍した。
山川穂高は日本人最速で200本塁打到達も……
7位には現役の山川穂高が218本塁打でランクイン。2022年に史上113人目となる通算200本塁打を日本人最速となる697試合目で達成。41本塁打で自身3度目の本塁打王にも輝いた。2023年も大幅な更新が期待されたが、自身の不祥事により出場したのはわずか17試合のみ。本塁打もゼロに終わった。
8位は190本塁打の豊田泰光。1953年に水戸商高から西鉄に入団すると、高卒1年目ながら遊撃のレギュラーとして27本塁打を放ち、新人王を獲得した。1956年には首位打者を獲得するなど、西鉄黄金時代の主力選手の1人として活躍。1963年に国鉄へと移籍した。
9位は竹之内雅史で179本塁打。1968年にドラフト3位で西鉄に入団すると、2年目から12年連続2ケタ本塁打をマークした。1979年にトレードで真弓明信らとともに阪神へと移籍している。
10位は177本塁打の和田一浩。1996年ドラフト4位で捕手として入団するも、当時正捕手には伊東勤がいたため、外野手に転向。するとみるみる頭角を現し、2002年に30歳にして初めて規定打席に到達し、打率.319、33本塁打、81打点の活躍でリーグ優勝にも貢献した。
2004年に100本塁打に到達、翌年には初タイトルとなる首位打者も獲得するなど、主力として活躍した。2007年オフにFA権を行使して中日へと移籍。2015年に史上最年長となる42歳11か月で2000安打を達成している。
今後は中村剛也が球団初の500本塁打に到達するかどうかに、注目が集まるのは間違いない。このままのペースでいけば、2年後の2025年シーズン中に達成することになるだろう。不惑を超えた中村の「おかわり」はどこまで続くのか、目が離せない。
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