打率.611、5本塁打13打点12四球の村上宗隆
先週のプロ野球セ・リーグは首位ヤクルトが2位DeNAに3連勝し、ゲーム差を「7」に広げた。本拠地・横浜スタジアムで17連勝と勢いに乗っていたDeNAはまさかの3タテを喫し、大きく後退。今週中にも優勝マジックが再点灯する可能性があり、連覇のゴールテープが見えてきた。
SPAIAでは8月23日から28日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
ヤクルトは村上宗隆が驚異のwRAA11.3を叩き出した。先週の12球団トップであることはもちろん、1週間単位で集計しているSPAIAの週間MVPでも今季最高の数値だ。先週6試合合計で18打数11安打の打率.611、5本塁打、13打点、四球も12個選んでいる。
特に26日のDeNA戦第3打席から14打席連続出塁、9打数連続安打を継続中。シーズン成績は打率.340、49本塁打、120打点と現時点でも三冠王になれそうな数字を残している。
こうなると俄然、個人成績への期待も高まるが、今後は勝負してもらえない打席も増えるだろう。それでもボール球に手を出さず我慢できるか。日本球界最強打者の全打席が注目の的だ。
DeNA牧秀悟、阪神・大山悠輔も好調キープ
村上が突き抜けているため目立たないが、DeNA牧秀悟も継続して好成績を残している。先週は23打数8安打の打率.348、2本塁打で、wRAA2.1だった。勝利にはつながらなかったものの、26日のヤクルト戦では21号2ラン、27日には22号ソロを放つなど10試合連続安打を継続中。1年目の昨オフは推定年俸7000万円で契約更改して話題になったが、今オフに1億円を超える可能性もありそうだ。
先週2勝4敗の阪神は大山悠輔がwRAA1.9でチームトップだった。26打数8安打で打率.308。24日のDeNA戦で猛打賞、27日の中日戦でも2安打を放つなど好調だ。8月2日の巨人戦で22号ソロを放って以来、一発が出ていないが、クライマックスシリーズまで見据えたラストスパートが期待される。
3勝3敗だった広島は坂倉将吾が村上に次いでセ・リーグ2位のwRAA4.7。26日の巨人戦で猛打賞、27日も11号ソロを含む2安打を放つなど21打数8安打、2本塁打をマークした。シーズン打率.289はリーグ6位。残り試合で昨年に続く打率3割に乗せたい。
巨人・岡本和真は復調の兆し、中日・土田龍空も成長の跡
3勝3敗だった巨人は、一時は4位に浮上したものの28日に敗れて再び5位転落した。チームトップは岡本和真のwRAA1.5。28日の広島戦で3打数3安打をマークするなど、19打数6安打の打率.316と復調の兆しも見えつつある。球団史上3人目の5年連続30本塁打に向け、最後の追い込みをかけられるか。
中日は近江高から入団2年目の19歳・土田龍空がチームトップのwRAA1.3だった。24日の巨人戦から3試合連続マルチ安打を記録するなど、21打数8安打の打率.381をマーク。20歳の岡林勇希とともに未来の中日を担う人材として、さらなる成長が楽しみだ。
8月も残りわずかとなり、優勝争いやタイトル争いも佳境に入る。セ・リーグはヤクルトがこのまま突っ走るのか、村上はどこまで成績を伸ばすのか、歴史的瞬間を見逃してはならない。
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