36歳9ヶ月で通算1000本安打を達成
8月10日、ZOZOマリンで行われたソフトバンク戦で、ロッテの荻野貴司が史上313人目となる通算1000本安打を達成した。プロ13年目、36歳9ヶ月での到達は、球団ではレロン・リー氏の35歳6ヶ月を抜く最年長記録。度重なるケガを乗り越えての到達でもあった。
初めて規定打席に到達したのはプロ10年目(2019年)の34歳になるシーズンで、同年に初のベストナインを受賞。2021年には36歳で初の最多安打と盗塁王を獲得した。走攻守にわたって円熟味は増しながらも、衰えは見られない。むしろ、まだ進化の過程かと思わされるプレーでファンを魅了している。
1000本安打の達成時、「通過点だとは思いますが、素直にうれしい」と話していたように、まだまだ先を見据える荻野。最年長2000本安打(42歳11ヶ月)の記録を持つ和田一浩(元中日)の歩みを踏まえながら今後の展望を考察した。
30代以降に開花した和田一浩
和田といえば、荻野同様に大学(東北福祉大学)・社会人(神戸製鋼)を経て西武へ入団。その後、西武、中日で長きにわたって活躍した右の強打者だ。通算安打は2050本、通算本塁打は319本、通算打率は.303。首位打者や最多安打、最高出塁率のタイトルを獲得したほか、最優秀選手や6度のベストナインに輝くなど球史にその名を残した。
そんな和田が初めて規定打席に到達したのは、プロ6年目(2002年)の30歳になるシーズンだった。そして、同じ年に初のベストナインを受賞し、33歳となった2005年には153安打、打率.322で最多安打と首位打者のタイトルを獲得した。
和田が晩成であること示す上で特筆すべきは、世代別の安打数。20代ではわずか149本だったが、レギュラーに定着した30代で1470本、40代では381本と、30代以降の安打数がはるかに多い。1000本安打は35歳になるシーズン(2007年)で達成しており、そのわずか3年後には1500本安打(2010年)を達成している。単純計算ではあるが、30代後半のこの3年間に年平均160安打以上をマークしていたことになり、驚異的といえる。
どこまで安打数を伸ばすか
大学、社会人を経て、30代で初めて規定打席に到達し、30代半ばで初めてタイトルを獲得するなど、打者のタイプは違えど和田との共通点が多い荻野。今季も走攻守でチームを牽引しており、出場試合数は59試合と少ないながらも、打率.318、11盗塁、出塁率.390と存在感を見せている。
荻野がいない間にトップバッターとして出場を続け、今季目覚ましい活躍を見せている髙部瑛斗も打線に欠かせない存在となったが、戦列に復帰後は髙部に勝るとも劣らない活躍を見せているのはさすがだ。
今年10月に37歳を迎えるが、今季の残り試合と来年からの3年間で仮に試合に出続けることができれば、40歳になるシーズンに1500本安打達成も現実的な目標として見えてくる。1500安打の先を見据えるのはよりいっそう難しいが、「2000本安打も、もしかしたら…」と期待させるだけの動きを、この先も見せてくれているかもしれない。
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