山川穂高が3戦連発
先週のパ・リーグは、首位・西武が本拠地ベルーナドームで6連戦を戦い、5勝1敗で首位固めに成功。これで勝利数は55となり、早くも最下位だった昨年の数字に並んだ。2位ソフトバンクは最下位・日本ハムに2敗1分けだったことが響き負け越し、首位とのゲーム差は3に広がった。
3勝3敗の五分だった楽天が3位に浮上。オリックスは西武に3タテを食らうも日本ハムには勝ち越し、3位と0.5差の4位に踏み止まった。5位ロッテは2勝4敗で、4位とは2.5差と徐々に離されつつあり、上位進出へ正念場を迎えている。
SPAIAでは8月2日から8月7日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
好調の首位・西武は、4番・山川穂高が2週連続チームトップのwRAA3.5をマークした。オリックス3連戦では10打数1安打に抑えられたが、ロッテ3連戦では3試合連続本塁打を放ち、5打点と大暴れ。33本塁打、69打点はともにリーグダントツで、2冠王へ驀進中だ。
中村晃と島内宏明が固め打ち
2位ソフトバンクでは、中村晃が復調気配だ。7月は腰痛のため9試合の出場にとどまったが、8月に入り5試合で16打数6安打の打率.375、1本塁打、4打点をマーク。5日、6日の楽天戦では1本塁打を含む5安打の固め打ちで、チームの連勝に貢献した。wRAAもチームトップの4.3を記録。打撃職人がいよいよ本領発揮だ。
3位に浮上した楽天では島内宏明がリーグトップのwRAA4.9をマークした。6試合で2度猛打賞を記録するなど26打数11安打の打率.423、3本塁打、10打点と打棒爆発。これでシーズン109安打となり、日本ハム松本剛を抜き最多安打に浮上。打率も.299まで上昇しており、自身初となる3割達成なるか注目だ。
オリックスは吉田正尚がwRAA2.9でチームトップ。先週は22打数8安打の打率.364、1本塁打、3打点だった。特に、週末の日本ハムとの3連戦では3試合連続の複数安打(うち猛打賞1回)を記録。首位攻防戦で3タテを食らったうっ憤を晴らすかのような活躍で、チームをカード勝ち越しへと導いた。
佐藤龍世が移籍後初アーチ
後半戦3カード連続負け越しと失速気味のロッテは、中村奨吾がwRAA3.9でチームトップだった。先週は20打数6安打の打率.300、2本塁打、4打点。2日の楽天戦では初回に先制の8号ツーランを放ち、後半戦初勝利の立役者となった。ここまで打率.243と低調だが、チームトップの49打点をマークするなど、主軸として打線を牽引している。
最下位の日本ハムでは、昨年西武から移籍してきた佐藤龍世が移籍後初本塁打を放つなど気を吐いた。2日ソフトバンク戦で同点の3回に勝ち越しの1号ソロ。西武時代の2019年以来3年ぶりとなるアーチが決勝点となった。3連戦トータルでも9打数4安打の打率.444で、5カードぶりの勝ち越しに大きく貢献。wRAAもチームトップの1.3をマークした。
首位・西武が後半戦に入って3カード連続勝ち越しと、混戦を抜け出しにかかっている。9日からは日本ハム、楽天とのビジター6連戦。ここを勝ち越すと独走態勢に入る可能性もあり、特に3位・楽天にとっては最低でも勝ち越しておきたいところだろう。
このまま獅子が首位を快走するのか、はたまたストップをかけ再び混戦となるのか。パ・リーグの覇権争いを占う大事な1週間となる。
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