5チームが4.5差の大接戦
7月14日試合終了時点で、パ・リーグは首位のソフトバンクから5位のオリックスまでが4.5ゲーム差にひしめく大混戦。どこが抜け出すのかまったく予想ができない緊迫した状況だ。開幕当初は投打ともに不振にあえいでいたロッテは、投手陣の踏ん張りを中心になんとか持ち直し、41勝42敗1分けで4位につけている。
2020年、2021年と2年連続で優勝争いを演じたロッテは、「頂点を、つかむ」をチームスローガンに掲げて今季の戦いに挑んでいる。ここから優勝を手繰り寄せるためのポイントはどこにあるのか、考察していきたい。
まずは苦手ソフトバンク戦を五分に
リーグ優勝を果たすためのポイントはさまざまだが、大きく負け越す苦手チームを作らないことは重要なポイントとなるだろう。近年の例を挙げると、2019年にリーグ2位だったソフトバンクは4チームに勝ち越すもロッテに8勝17敗と大きく負け越してしまい、このことがリーグ優勝を逃す最大の要因となった。
今季のロッテのチーム別対戦成績を見ると、ここまで大きく負け越しているのが4勝8敗のソフトバンク戦だ。この対戦成績をまずは五分に戻し、苦手意識を払拭したいところだ。
今季ソフトバンクにあまり勝てていない要因は、近年ソフトバンクキラーとも呼べる働きを見せていた美馬学(2020年に5勝、2021年に3勝)と二木康太(2020年に3勝、2021年に3勝)が、今季の初登板でともに勝てなかったことが大きいだろう(美馬は5月21日の試合で1勝をマーク)。
一方、ポジティブな要素の一つがエンニー・ロメロの存在。今季ソフトバンク戦だけで既に5試合に登板して、防御率2.90と安定した投球を見せている。6月27日の登板では、7回4安打無失点と好投して勝利投手にもなった。同様に、今季鷹戦で1勝を挙げている佐々木朗希とともにキーマンとなりそうだ。
前半戦のうちに苦手意識の払拭を
2020年、2021年と2年連続でシーズン終盤に失速し、リーグ優勝を逃したロッテ。2020年は9月を終えた時点で10勝4敗とソフトバンクに大きく勝ち越していたものの、10月~11月に2勝7敗と負け越し、ソフトバンクに一気に突きはなされた。
2021年は、2年連続で勝ち越していた鷹相手に負け越し(10勝12敗3分け)。特にオリックスと熾烈な優勝争いを繰り広げていた10月に喫した3敗は、致命傷となった。
10月16日は二木を先発に立て、初回に3点を先制するも直後の2回に5失点し、痛恨の逆転負け。10月19日は同年に初の二桁勝利を挙げてチームの勝ち頭となった小島和哉を立てるも、千賀滉大に抑え込まれて完敗。優勝への最後の望みをかけた10月25日には美馬で必勝を期すも、序盤からソフトバンク打線につかまり7-15と大敗。力の差をまざまざと見せつけられた。
終盤に息切れしてしまい、ここ一番で勝負弱さを露呈してしまう理由は、優勝争いの経験値の低さとそれによって生じる過度なプレッシャー、戦力不足と諸々の課題が挙げられる。だが、逆に言えば、この2年間の優勝争いの経験を今季は生かさなければならない。
ソフトバンクは再びシーズンの勝負どころで立ちはだかるだろう。今日16日から始まる3連戦をいい形で乗り越え、前半戦のうちに苦手意識を払拭しておきたい。
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