「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

世代別安打数ランキング 巨人・坂本が独走も首位打者6回、最多安打7回と多士済々の88世代

2022 6/11 11:00林龍也
巨人の坂本勇人、ソフトバンクの柳田悠岐、DeNAの宮崎敏郎,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

安打数トップの坂本勇人は攻守で世代トップの存在

2006年夏の甲子園を沸かせ、高校、大学、社会人、そしてプロ野球でも球界を盛り上げ続ける「88年世代」。田中将大(楽天)をはじめ坂本勇人(巨人)や秋山翔吾(パドレス傘下)など多くの名選手を輩出している世代だ。

今年度で34歳を迎え、ベテランと呼ばれる年齢に差し掛かっている彼らだが、今回はその88年世代の安打数ランキングを見ていこう。高卒入団なら16年目を迎えた88年世代で、今シーズンも現役を続けているのはちょうど10人。彼らの安打数ランキングは以下の通り。

88年世代安打数ランキング,ⒸSPAIA


トップは巨人一筋でプレーし続ける坂本の2151安打だ。光星学院高から高校生ドラフト1巡目で入団し、1年目は4試合で1安打だった坂本だが、2年目の2008年にレギュラーを掴むと、14年連続115安打以上をマーク。2012年には173安打で最多安打、2016年には打率.344で首位打者、出塁率.433で最高出塁率のタイトルに輝いた。また264本塁打、923打点も1位の数字だ。

坂本の凄さは打撃だけにとどまらない。ショートという内野の要のポジションで長年に渡って試合に出続けていること、それを12球団で最もプレッシャーのかかる巨人という球団でやってのけていることだ。

その結果、2019年の最優秀選手賞に加え、7度のベストナイン、5度のゴールデングラブを獲得。野手としての総合的な能力が非常に高く、まさに世代トップの野手と言える。近年は故障もあり出場機会を減らしつつあるが、その技術は健在。今後も成績を伸ばしていくことだろう。

2位、3位はライバル関係にある秋山翔吾と柳田悠岐

2位、3位には日本を代表する左打ちの外野手がランクインした。2位の秋山(現・パドレス傘下)は、NPBで1405安打、MLBで71安打を放ち、日米通算1476安打をマーク。西武時代には最多安打4度、首位打者にも1度輝くなど、ヒットメーカーとして活躍した。

2020年のメジャー移籍後は定位置を奪うことができず、成績だけを見ると伸び悩んでいるが、ここからの巻き返しに期待したいところだ。

3位には柳田悠岐(ソフトバンク)が1300安打でランクイン。首位打者2度に、最多安打1度、最高出塁率に4度輝き、2015年にはトリプルスリーを達成するなど、長打力と確実性を兼ね備えた打撃を見せてきた。

とりわけ2020年の最多安打については「僕にとっては“秋山翔吾”というタイトルです」と喜ぶなど、同期の秋山とは良いライバル関係にあったことがうかがえる。フルスイングを信条とするプレースタイル故に故障も多いが、これからもファンを魅了する一打を見せ続けてくれるだろう。

1000安打も視界にとらえる4位の宮﨑敏郎、5位の梶谷隆幸

4位の宮﨑敏郎(DeNA)、5位の梶谷隆幸(巨人)は1000安打を視界にとらえている。10人の中では唯一、社会人を経た宮﨑は、レギュラー定着も5年目と遅かったが、その年に打率.323で首位打者を獲得。以降は安打を量産して一気に上位へと駆け上がった。

その宮﨑と同じDeNAでキャリアをスタートした梶谷は、904安打を放ち5位にランクイン。度重なる故障に泣かされながらも、持ち前の爆発力で通算123本塁打を放ち、10人中トップの160盗塁をマークしている。巨人移籍後もやはり故障に泣かされてはいるものの、来シーズンは1000試合出場、1000安打のダブル達成を見せてくれるだろう。

6位以降にはレギュラーとまではいかないまでも、随所で活躍を見せる選手たちが並ぶ。會澤翼(広島)は強打の捕手として618安打、68本塁打を記録。キャリアハイは2019年の104安打で規定打席に到達したのもその年だけだが、同じ広島の捕手で1000安打も達成した石原慶幸のように、息の長い選手になっていきそうだ。

537安打の福田永将は7位、471安打の堂上直倫は8位でともに高卒で中日に入団。規定打席に到達したのは1度だけだが、長く1軍でプレーを重ねている。

9位の木村文紀(日本ハム)は投手として西武に入団。7年目の2013年から野手としてのキャリアをスタートし、308安打を積み重ねた。10位の福田秀平は、2011年の55安打がキャリアハイだが、コンスタントに出場機会を得て305安打をマークしている。

外国人ではビシエドとソトが同世代

この10人以外にも、2人の外国人がNPBで活躍を見せている。中日のビシエドはMLBで425安打、NPBで844安打を放っており、2018年には首位打者、最多安打も獲得。日米通算1269安打は4位相当の数字だ。

DeNAのソトはMLBではわずか3安打だったが、来日5年間で511安打を放ち、本塁打王2度、打点王1度と好成績を残している。

改めて見ると、坂本、秋山、柳田、宮﨑、ビシエドの5人で首位打者6回、宮﨑を除く4人で最多安打7回を獲得するなど、圧巻の成績を残している88年世代の野手たち。故障が増え、衰えも見え始めてくる年齢でもあるが、この12人が1年でも長くプレーし、1本でも多くの安打を積み重ねていくところを見守っていきたい。

※成績は全て6月9日終了時点

【関連記事】
巨人・坂本勇人の二塁打通算記録の価値、7年後にイチロー超え?
ソフトバンクの通算本塁打ランキング、松田宣浩と柳田悠岐は“小久保超え”なるか
ドラフト下位指名から逆襲した選手たち DeNAは宮﨑敏郎、佐野恵太が首位打者獲得