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【西武】ドラフト下位指名から逆襲した選手たち 呉、森脇、水上が投打の要に、高卒育成の新星も

2022 5/27 11:00SPAIA編集部
西武の森脇亮介と呉念庭,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

育成2位の滝澤夏央が大活躍

西武の高卒ルーキー・滝澤夏央が予想外の大活躍を見せている。2021年のドラフトで関根学園高から育成2位指名で入団した身長164センチと小柄な遊撃手は、5月13日に支配下契約を勝ち取ったばかりだ。

その当日に「2番・遊撃」でスタメンに抜擢されると、3打席目にチームの逆転勝利を呼び込むプロ初安打をマーク。翌14日の試合でも同点に追い付く2点タイムリー三塁打、さらに次打者・外崎修汰の打席で楽天・安樂智大が暴投し決勝点のホームを踏み、2日連続でお立ち台に上がる鮮烈デビューを飾った。

その後も走攻守すべてで18歳とは思えぬ働きを見せ、スタメンをがっちり掴んでいる。22日の日本ハム戦ではプロ初の猛打賞、24日の中日戦では高卒新人としては史上3人目の交流戦初打席で初安打を記録。チームの正遊撃手・源田壮亮が怪我で離脱した穴を、補って余りある活躍ぶりだ。

この滝澤のように、ドラフト下位指名(6位以下、育成含む)ながら一軍で活躍を見せている西武の主な選手を見ていこう。対象はドラフトが高校生と大学生・社会人の分離開催から現在の一括開催に変更された2008年以降に指名された選手とする。

【関連リンク】プロ野球ドラフト歴代指名選手一覧

森脇亮介と水上由伸がリリーフの柱に

西武の主なドラフト下位指名選手,ⒸSPAIA


滝澤と同じく育成指名ながらルーキー年に頭角を現したのが、2020年育成5位の水上由伸だ。昨年の5月13日に支配下登録されると、6月11日に一軍デビュー。ファームでは18試合で防御率5.60の成績だったが、1回無安打無失点と上々の滑り出しを見せた。

その後も、持ち味の内角へ強気に攻め込むピッチングで無失点投球を続け、8月22日のオリックス戦では、パ・リーグ新記録となる「プロ初登板から14試合連続無失点」を達成。最終的には、17試合連続まで記録を伸ばした。

今季もここまで18試合に登板して防御率1.04と安定した投球を披露。ブルペン陣の柱へと成長している。

水上以外にも中継ぎとして台頭する選手が目立つ。2018年に社会人のセガサミーからドラフト6位で入団した森脇亮介は、1年目は29試合で防御率4.94の成績だったが、2年目に47試合で防御率1.35の好成績。抑えの増田達至につなぐ8回を任されるまでになった。昨季は怪我の影響もあり本調子ではなかったが、今季は12試合で防御率2.45と復活の兆しを見せている。同年のドラフト1位は日体大の松本航だった。

また、2015年6位で入団した本田圭佑(東北学院大)が今季、開花の兆しを見せている。開幕から一軍ブルペンを支えていた宮川哲、佐々木健がコロナ感染で離脱したため、4月26日に緊急昇格。ファームでは主に先発を任されていたが、4月27日のソフトバンク戦で中継ぎとして1回を無安打無失点に抑えた。

その後も無失点投球を続け、リリーフ陣の救世主となっている。年間通して活躍できるか注目だ。同年のドラフト1位は富士大の多和田真三郎だった。

岡田雅利、呉念庭ら渋い働き見せる野手陣

一方、野手では2013年5位の岡田雅利(大阪ガス)が地味ながらチームを支え続けている。同年の1位では高校の後輩でもある森友哉(大阪桐蔭高)が正捕手候補として入団。同ポジションのライバルとして切磋琢磨して競い合ってきた。

森が期待通り強打の捕手としてレギュラーの座を掴み取ったため、近年は控えに回ることが多いが、首脳陣の信頼は厚い。昨季もシーズン通して一軍に帯同して代打や守備固めを中心に34試合に出場。チームに欠かせない戦力となっている。

昨季チームトップの130試合に出場した呉念庭(第一工業大)も2015年7位での入団だ。内外野どのポジションも守れるユーティリティープレーヤーは、昨季打撃が開花。特に、交流戦では打率.333、14打点をマーク。怪我人が続出した打線の中で、孤軍奮闘の活躍を見せた。

その他にも昨季9本塁打をマークした2019年8位の岸潤一郎(四国IL・徳島)、昨季開幕一軍入りし、打率.247、3本塁打の成績を残した2020年6位のブランドン(東農大北海道)ら若獅子たちがレギュラー奪取へ牙を研いでいる。

西武は2017年12月から球場改修の一環として、練習施設や選手寮も改修するなど育成環境を整備、それに付随して育成指名の人数も近年増やしてきた。その努力がいま実を結びつつある。充実の育成環境からどんな逸材が飛び出してくるのか今後も要注目だ。

※数字は2022年5月26日終了時点

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