リーグトップの4勝
5月8日試合終了時点で21勝(17敗)を挙げ、リーグ3位につけている巨人。菅野智之や坂本勇人、吉川尚輝ら投打の中心的プレーヤーがケガで離脱し苦しい状況が続いているが、ここで上位チームに離されずに踏ん張れるかどうかが重要だ。
今季6試合に登板してリーグトップの4勝(1敗)を挙げ、防御率2.00と安定した投球を見せているC.C.メルセデスには引き続き期待がかかる。
5月8日試合終了時点で21勝(17敗)を挙げ、リーグ3位につけている巨人。菅野智之や坂本勇人、吉川尚輝ら投打の中心的プレーヤーがケガで離脱し苦しい状況が続いているが、ここで上位チームに離されずに踏ん張れるかどうかが重要だ。
今季6試合に登板してリーグトップの4勝(1敗)を挙げ、防御率2.00と安定した投球を見せているC.C.メルセデスには引き続き期待がかかる。
4勝目を挙げた4月27日のDeNA戦では初回に1死満塁のピンチを招いたが、2者連続空振り三振で切り抜けると、以降は二塁を踏ませない完ぺきな投球で7回を無失点に抑えた。不安定だった初回と立ち直った2回以降の投球内容は別人のようだったが、それだけうまく修正できたということだ。
球速は140km台ながらもキレのある直球を軸に、織り交ぜていたカットボールも効果的。どんどん投げ込んでいくテンポのよさでDeNA打線につけいる隙を与えなかった。その日の状況を冷静に受け入れた上で早い段階で修正したことや、終始テンポのよかった投球は、先発投手に求められる要素であり、今季のメルセデスに期待できる理由でもある。
5月5日の広島戦では5勝目とはならなかったものの、6回2失点と好投。この日の試合もテンポのいい投球を披露していた上、ボールは常に低めに集まっていて全体的に危なげのない投球だった。
今季のメルセデスは、昨季と比べて直球の被打率が大幅に改善している(昨季.327、今季.190)。多くの投手にとって直球は軸となる球だが、その直球がこれだけ改善していれば投球の組み立てもしやすくなる。
直球の次に投球割合が多いスライダーの被打率も大幅に改善(昨季.301、今季.051)。同球種の奪空振率は落ちているが(昨季.13.89、今季.7.86)、直球が走っている分、スライダーで打たせて取る投球ができている印象だ。
一方で、チェンジアップ(昨季.237、今季.444)とカーブ(昨季.167、今季.556)という緩い球の被打率が大幅に悪化しているのは懸念材料。投球全体の割合としてはチェンジアップが約10%、カーブが約5%と多くはないが、緩急がつけられれば投球の幅がグッと広がるだけに、長いシーズンを見越した上で徐々に改善していきたいところだ。
少ない球数で長いイニングを投げることを、試合の目標として度々口にするメルセデス。今季はここまで6試合に登板して投球回は36回。1試合の平均投球回は6回だが、仮にあと1イニング伸ばすことができれば、リリーフ陣の負担も軽減できる。
昨季は17試合に登板して投球回は86回。1試合平均は約5回だったため、現段階では昨季より1イニング伸ばすことができている。これから体力を消耗する夏場に向けて、先発陣がいかに長いイニングを投げられるかはポイントになるだろう。
ここ10試合で2勝8敗と開幕からの勢いがなくなった巨人だが、赤星優志、掘田賢慎、戸田懐生ら多くの若手投手が台頭し、次々にプロ入り初勝利をマークした。ヤクルト、広島に勢いが出てきている中、シーズンの潮目が大きく変わるポイントである交流戦も近い。苦しい今を乗り越えるためには、メルセデスや戸郷翔征、そして若手を含む先発投手陣の踏ん張りが欠かせない。
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