今永昇太は4回無安打無失点で降板
3月18日に東京ドームで行われたドジャースvsカブスのMLB開幕戦で、ドジャース山本由伸が5回72球を投げて3安打4三振1四球1失点で勝利投手となった。日本人メジャーリーガーが開幕戦で勝利投手となるのは史上4人目の快挙。
山本は2回にミゲル・アマヤのタイムリー二塁打で先制を許したが、5回に味方打線が3点を奪って逆転。試合は4-1でドジャースが勝利した。
カブス先発の今永昇太は4回69球を投げて無安打2三振4四球無失点と好投したが、70球をメドと考えたクレイグ・カウンセル監督が交代させたため勝利投手の権利すら得られないまま降板。試合も逆転負けし、指揮官の采配が裏目に出た。
今季はエンゼルスの菊池雄星も3月27日の敵地ホワイトソックス戦で自身初の開幕投手に決まっており、同一シーズンに日本人投手3人が大役を務めるのは初めて。山本、今永を含めて、MLB開幕投手を務めた日本人メジャーリーガーは9人しかおらず、菊池は史上10人目となる。

野茂英雄は3度の大役で2勝、田中将大は4度の開幕投手
初の大役を担ったのは日本人メジャーリーガーのパイオニア野茂英雄だった。タイガース時代の2000年4月3日アスレチックス戦、7回3安打3失点で見事に勝利投手となった。
さらにドジャーズ時代の2003年3月31日ダイヤモンドバックス戦では、通算303勝を挙げたランディ・ジョンソンと投げ合って9回被安打4の完封勝利。翌2004年もパドレスとの開幕戦に先発して5回7失点で敗戦投手となったが、計3度の開幕投手を務めた。
松坂大輔もレッドソックス時代に開幕マウンドに立っている。2008年3月25日に東京ドームで行われたアスレチックス戦、5回2安打2失点で勝ち負けはつかなかったが、チームの勝利に貢献した。同年はその後開幕8連勝を飾るなど、18勝をマークした。
黒田博樹はドジャーズ時代の2009年4月6日パドレス戦に先発し、5.2回4安打1失点で勝利投手となった。ただ、その直後に左脇腹痛で故障者リスト入りし、同年は8勝どまりだった。
ヤンキース時代の田中将大は計4度も開幕投手を務めている。メジャー2年目だった2015年4月6日ブルージェイズ戦は4回5失点で敗戦投手。翌2016年4月5日アストロズ戦は5.2回2失点で勝ち負けはつかなかった。
さらに2017年4月2日レイズ戦で3年連続開幕投手を務めたが、2.2回7失点で敗戦投手。4度目となった2019年3月28日オリオールズ戦では5.2回2失点でようやく自身初の開幕勝利をつかんだ。
ダルビッシュ有は4度の大役も未勝利
5人目はダルビッシュ有。レンジャーズ時代の2017年4月3日インディアンス戦で6.1回4安打4失点で勝利投手の権利を手にしていたが、リリーフが打たれて白星はつかなかった。
パドレスに移籍した2021年4月1日ダイヤモンドバックス戦では4.2回8安打4失点で勝敗はつかず。2022年4月7日のダイヤモンドバックス戦では6回無安打無失点と完璧な投球だったが、リリーフが逆転を許して白星はつかなかった。
さらに2024年には韓国・高尺スカイドームで行われたドジャースとの開幕戦に登板し、3.2回2安打1失点。大谷翔平との初対決は2打数1安打だった。
日本人6人目の栄誉となったツインズ前田健太は2021年4月1日ブルワーズ戦に登板し、4.1回6安打2失点で勝ち負けはつかなかった。
2022年4月7日のアストロズ戦でメジャー7人目の日本人開幕投手となった大谷は、4.2回4安打9奪三振1失点で敗戦投手。2023年3月31日のアスレチックス戦でも開幕投手を務め、6回2安打10奪三振無失点と好投したが、チームが逆転負けして白星はつかなかった。
これまで開幕戦で白星を手にした日本人投手は4人だけだ。菊池が史上5人目の開幕勝利を挙げるか注目される。
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