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2021年セMVPの村上宗隆が最も苦手・得意とした球団、選手は?

2022 1/29 11:00林龍也
ヤクルトの村上宗隆,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

チームを日本一に導き、セ・リーグ史上最年少でMVPを獲得

2021年のセ・リーグMVPに輝いた村上宗隆。レギュラーシーズンでは2年連続となる4番での全試合出場を達成し、打率.278・39本塁打・112打点をマークし、本塁打王のタイトルを獲得した。9月には史上最年少の21歳7カ月での100本塁打に到達し、チームの6年ぶりのリーグ優勝、20年ぶりの日本一に貢献。21歳でのMVPはリーグ史上最年少と、最高のシーズンを過ごした。

高卒4年目にして日本球界屈指のスラッガーへと成長した村上だが、そんな村上が最も得意・苦手とした相手は誰だったのか。昨シーズンの対戦成績から探っていきたい。

最も得意としたチームは巨人

村上宗隆のチーム別成績,ⒸSPAIA


レギュラーシーズンのチーム別成績を見ると、最も得意としたのは巨人だった。打率.348(89打数31安打)・8本塁打・25打点はいずれも対セ・リーグ最多、出塁率.468・長打率.674・OPS1.142も同最高と、リーグ優勝を争うライバルから打ちまくった。

DeNA戦では巨人に次ぐ打率.306(85打数26安打)をマーク。阪神、中日戦では打率こそ2割台後半と目立たないが、中日戦では8本塁打・20打点、阪神戦ではOPS1.001と相性の良さを誇った。

唯一、広島相手には打率2割台前半と苦戦。4本塁打は同最少の数字だ。マツダスタジアムでは3本塁打を記録したが、打率.227(44打数10安打)と抑え込まれてしまった。得点圏打率も.188に封じられたが、それでも19打点を記録したのはさすがだ。

パ・リーグとの対戦は交流戦での3試合13打席前後のため参考程度にしかならないが、西武戦では打率.571(7打数4安打)・2本塁打・5打点に加え6四球をマーク。ソフトバンク戦では打率.444(9打数4安打)・2本塁打・3打点と打ち込んだ。

一方で楽天、オリックス戦では打率.100(10打数1安打)と相性が悪かったものの、いずれも安打は本塁打と意地を見せた。10打数無安打に抑え込んだ日本ハムは、12球団で唯一、村上に本塁打を許さなかった。

最も得意としたのは阪神・青柳、最も苦手としたのは阪神・岩崎

村上宗隆の投手別成績,ⒸSPAIA


ここからは投手別に見て行こう。村上が10打席以上対戦したのは15人。最も得意としたのは青柳晃洋(阪神)で、打率.533(15打数8安打)・3本塁打・5打点と打ち込んだ。5四球も対戦した投手の中で最多と、とにかく相性が良かった。

さらに戸郷翔征、メルセデス、今村信貴(巨人)、今永昇太(DeNA)、大瀬良大地(広島)からは打率4割以上をマーク。柳裕也(中日)相手には打率こそ.267と平凡だが、3本塁打・6打点を記録した。

10打席未満では松葉貴大(中日)から打率.667(6打数4安打)、石田健大(DeNA)から打率.800(5打数4安打)を記録。対戦数の少ない左腕を得意としたことは、タイトルを獲る上でも重要な要素となったことだろう。

苦手としたのは、ガンケル、岩崎優(阪神)、高橋昂也(広島)、勝野昌慶(中日)で、いずれも打率2割未満。15人の中で唯一の中継ぎ投手である岩崎に至っては、10打数無安打・6三振と完璧に封じ込まれてしまった。

また、阪神の投手に限って見ていくと、青柳をはじめ西勇輝や伊藤将司、髙橋遥人ら先発投手との相性は悪くなかったが、藤浪晋太郎(6打数無安打)、スアレス(5打数無安打)といった中継ぎ投手との相性が悪かった。ヤクルトが阪神戦を負け越したのは、この辺りにも一因がありそうだ。

タイトルホルダーやエース級と当たっても苦にしなかった2021年

最多勝・勝率第一位の青柳、最優秀防御率の柳、最多セーブのスアレスとの成績は先述の通り。青柳と同数で最多勝の九里亜蓮(広島)とは打率.286(7打数2安打)とまずまずだったが、その2安打がいずれも本塁打だった。新人王に輝いた栗林良吏(広島)とは2打数無安打・2三振・1四球と分が悪かった。

他球団のエース級との対戦を見ると、先述したように青柳、大瀬良、今永は打ち込み、柳との対戦成績も悪くなかった。菅野智之(巨人)とも打率.250(8打数2安打)となっており、好投手を苦にしなかったことが昨シーズンの活躍に繋がったと言える。

高卒4年目、21歳にして球界トップクラスのスラッガーへと成長を見せた村上だが、2022年は真価が問われるシーズンとなる。より一層厳しくなるマークに屈するのか、跳ね返してその地位を絶対的なものにするのか。今シーズンも燕の若き主砲から目が離せなさそうだ。

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