ストレートの被打率が1割以上改善
昨季は最終盤まで優勝争いを繰り広げたロッテ。その中で大きな飛躍を遂げた選手のひとりが、3年目の小島和哉だ。
年間を通じてローテーションを守り、自身初の規定投球回もクリア。特に後半戦は2度の完封勝利を挙げるなど、防御率2.67と抜群の安定感を見せた。
小島の躍進を語るにあたり、注目したいのがストレートだ。2020年には被打率.313と打ち込まれてしまった球種だが、昨季は並み居る好投手を抑え、両リーグの規定投球回到達者でトップとなる.212をマークした。
小島は投球の46%をストレートが占めるため、このボールの出来不出来が成績に与える影響は大きい。昨季の活躍も、ストレートの改善に一因がありそうだ。
球速の上昇と制球面の変化
では、小島のストレートにどのような変化があったのか。まず挙げられるのは、球速の上昇だ。昨季の平均球速は143.2キロと、前年から実に4キロ近くもアップ。本人も「真っすぐでしっかり詰まらせたりとか、空振り、ファウルが取れるようになってきている」と手応えを語っていた通り、直球の力強さが格段に増していた。
また、シーズン途中からは制球面にも変化が見られた。前半戦のストレートは高めへの投球が半分を占めていたのに対し、後半戦は低めの割合が16%も増加。打球に角度が付きにくい高さに集めることで、ゴロ割合も40.7%から56.3%に上昇していた。
球界屈指の打たれにくさ
一般的に、ゴロの打球はフライやライナーに比べて、安打や長打になりにくい。前半戦こそストレートでの被弾が目立った小島だが、後半戦は1本のみに抑え、被打率は.150という高水準だった。球速アップと、低めへの制球力の向上。小島のストレートが球界屈指の打たれにくさを誇ったのは、こういった要因がありそうだ。
オフには、背番号14への変更が発表された小島。ロッテの14番といえば、小宮山悟や大谷智久ら、早稲田大の先輩にもあたる面々が背負ってきた番号だ。今季も先発陣をけん引し、偉大なOBたちに続く活躍を期待したい。
※文章、表中の数字はすべて2021年シーズン終了時点
企画・監修:データスタジアム
執筆者:矢島 慎太郎
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