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日本ハム新庄剛志ビッグボスはリーグワーストの打線で勝てるのか?実力を検証

2022 1/13 06:00SPAIA編集部
日本ハムの新庄剛志監督,ⒸSPAIA
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打率、得点、本塁打、三振、失策…軒並みリーグワースト

就任以来、完全にオフの主役となった日本ハムの新庄剛志監督。ド派手なファッションや言動でメディアに引っ張りだことなり、ニュースを見ない日はないほどだ。

これからキャンプが始まり、オープン戦へと進むにつれ、チームとしての全容が明らかになっていくが、昨季リーグ5位からの巻き返しは簡単ではない。

まず昨季のチーム野手成績が下の表だ。

パ・リーグの2021年チーム野手成績


チーム打率.231、454得点、78本塁打、1207三振、76失策はいずれもリーグワースト。得点はリーグで唯一の400点台、本塁打数もリーグ唯一の2桁で5位・楽天に30本差をつけられている。盗塁数は77個でリーグ4位だが、いずれにしても上位との差は小さくない。

主砲・中田翔をシーズン中に放出し、オフには西川遥輝と大田泰示を自由契約。西川は楽天に、大田はDeNAに移籍が決定した。

中学時代にサニブラウンに勝った逸話を持つ俊足の五十幡亮汰、2017年ドラフト1位の清宮幸太郎ら若手の成長が期待されるが、いきなりの大ブレイクを計算に入れることはできない。

オフにメジャー通算56本塁打ののレナート・ヌニエス、昨季3Aで17本塁打のスイッチヒッター、アリスメンディ・アルカンタラを獲得しているとはいえ、外国人助っ人は未知数の部分も多い。

ドラフトでは1位で天理高の長身右腕・達孝太、2位で千葉学芸高の内野手・有薗直輝と上位では高校生を指名しており、即戦力ではない。

監督は与えられた戦力をやり繰りして戦うしかないだけに、新庄ビッグボスの采配や成長を促すような起用法、大抜擢があるのかも注目されるが、打線に過度の期待は禁物だろう。

投手中心とした守りの野球が現実的

野手陣に比べると、投手陣の成績は決して悪くない。

パ・リーグの2021年チーム投手成績


昨季のチーム防御率3.32はリーグ3位、先発投手が6回以上を自責点3以下に抑えるQS(クオリティ・スタート)はリーグ2位タイの73回を記録している。

被本塁打はリーグで唯一の2桁となる98本で最少。広い札幌ドームの影響もあるとはいえ、頼もしい数字だ。被打率.237もリーグ3位。515失点は同4位だが、1位のソフトバンクが493失点だから、それほど大きな差ではない。

昨季は上沢直之が12勝、伊藤大海が10勝をマーク。クローザーを務めた杉浦稔大が28セーブ、堀瑞輝が39ホールド、ベテラン宮西尚生は14年連続50試合以上登板を果たすなど先発、中継ぎ、抑えがそれぞれの役割を果たした。

オフにはメジャー通算173試合登板の右腕ジョン・ガント、198センチの長身右腕コディ・ポンセを獲得している。

現有戦力を見渡すと、やはり投手を中心とした守りの野球で接戦をものにしていくのが現実的だろう。6勝13敗6分けと大きく負け越したソフトバンク、7勝13敗5分けだったロッテ対策も必要だが、いずれにしてもロースコアでの勝負に活路を見出したい。

引退後、野球から離れ、コーチ経験もないまま監督に就任した新庄ビッグボス。シーズンに入っても主役でいられるかどうか、その手腕が注目される。

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