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川端、ジョーンズだけじゃない ヤクルト宮本丈、DeNA楠本泰史ら代打で輝いた選手たち

2022 1/5 11:00林龍也
ヤクルトの宮本丈とDeNA楠本泰史,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

日本シリーズでも持ち味発揮した川端とジョーンズ

2021年シーズン、セ・リーグを制し日本一に輝いたヤクルト、パ・リーグを制したオリックスにはそれぞれ川端慎吾、アダム・ジョーンズという代打の切り札がいた。シーズンを通し、川端は打率.366・1本塁打・18打点、ジョーンズは打率.429・6打点の好成績を残し、ともにチームの勝利に大きく貢献した。

2人が対戦した日本シリーズでは、第5戦の9回にジョーンズが勝負を決める勝ち越し弾を記録。続く第6戦では、延長12回二死二塁から川端が決勝タイムリーを放ち、チームを日本一に導いた。代打でシーズンを盛り上げた2人が、日本シリーズでも持ち味を発揮したシーンだった。

2人以外にも、代打で輝きを放った選手は多い。今回は2021年シーズンに代打で結果を残した選手たちの活躍を見ていこう。

若手の楠本泰史、宮本丈も代打で結果を残す

2021年、レギュラーシーズンに代打で30打席以上に立ったのは、セ・パ合わせて22人。顔ぶれと主な成績は以下の通り。

2021年に代打で30打席以上立った選手,ⒸSPAIA


川端の89打席は断トツのトップ。さらに30安打は、2007年に真中満(ヤクルト)が放った31安打に次ぐ歴代2位の記録だ。18打点も2位に大差をつけたトップで、OPS.904も文句なしの成績だった。

その川端に勝るとも劣らない活躍を見せたのがジョーンズだ。打率.429・OPS1.032はいずれもトップ。本塁打こそなかったが、37打席で12安打、9四球を選び、三振はわずか6。BB%(打席に占める四球の割合)は驚異の24.3%だった。この数字だけでもチームへの貢献度が伝わってくる。2人とも、「代打の神様」の名に相応しい活躍を見せた。

2人に迫る活躍を見せたのが、楠本泰史(DeNA)、宮本丈(ヤクルト)の若手2人だ。楠本は打率.295、2本塁打、10打点と勝負強さを発揮。OPS.824も堂々たる数字を残した。

一方、宮本は打率.313、8四球で、出塁率.452、OPS.827を記録。わずか5三振と、チャンスが欲しい場面で集中力を見せた。「ヤクルトには代打の神様が2人いた」と言われるのも納得の成績だ。

レギュラーからの代打、代打からのレギュラー

かつてのレギュラーで、2021年シーズンは代打やバックアップメンバーとしてチームを支えた選手も多い。

松山竜平(広島)はジョーンズ、川端に続く打率.318をマークし、14安打は川端に次ぐ2位。積極的な打撃でシーズン通算よりも高い打率をマークした。K%(打席数に占める三振の割合)は8.3%と、22人中唯一の一桁台。規定打席に到達した打者の平均K%が16.7%で、22人の平均が22.7%だったことから、松山の凄さがうかがえる。

長谷川勇也(ソフトバンク)は打率こそ2割台前半だったものの、54打席で10四球を選び、出塁率.370、BB%は18.5%を記録した。規定打席に到達した打者の平均BB%が10.0%、22人の平均が10.8%だった中、積極性が求められる状況でこの数字は、さすがのひと言だ。

逆に、代打から不動のレギュラーへと上り詰めたのが、佐野恵太(DeNA)だ。プロ入り1年目は14打席で打率.182・1打点だったものの、2年目は46打席で打率.233・3本塁打・11打点、3年目には37打席で打率.344・2本塁打・17打点と徐々に成績を伸ばした(全て代打成績)。

これが評価され、4年目には移籍した筒香嘉智(現・パイレーツ)に代わって4番・左翼のレギュラーをつかみ取り、打率.328・20本塁打・69打点で首位打者を獲得。5年目の2021年シーズンは全143試合に出場し、打率.303・17本塁打・72打点と安定した打力を発揮し、チームの顔へと成長を遂げた。

当たり前のことだが、レギュラーと違って出番の少ない代打は、結果を出すのが非常に難しいポジションだ。ある程度の成績を残せば「終盤の勝負所」など出番も読めるようになるが、それでもいつ回ってくるのかわからない中、対戦相手は一線級のセットアッパーやクローザーになる。そういった難敵を攻略し結果を残したのが、今回紹介した選手たちだ。

佐野は若くしてそのポジションで結果を残し、見事レギュラーの座をつかみ取った。2021年シーズンに代打で輝きを放った楠本、宮本にも、これをレギュラー獲りの足がかりとすることを期待したい。

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