スケールの大きい右腕に白羽の矢
今年も優勝候補筆頭に挙げられていたソフトバンクだったが、現在まさかの4位。リーグ優勝はおろか、Aクラス入りもほぼ絶望の状況となっている。
ソフトバンクの補強ポイントはどこにあるのか。在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、明日に迫ったドラフト会議での補強ポイントを、指名候補も含め考えていく。

投手陣は千賀滉大が前半戦不在で、石川柊太が不調と決してベストな布陣ではなかったが、
それでもリーグトップのチーム防御率をマークしており、さすがの層の厚さを誇る。ただ、先発陣を見渡すと、千賀に次ぐエース候補が見当たらない。メジャー志向の強い千賀は数年のうちに移籍する可能性が高く、早急に対策する必要があるだろう。
その想定通り、球団は9日、ノースアジア大明桜高・風間球打の1位指名を公表した。スケールの大きさでは今年の候補の中でも群を抜いており、将来のエース候補としてふさわしい逸材だ。もし競合となりクジを外した場合も、将来性豊かな高校生投手を指名したい。天理高の達孝太や享栄高の竹山日向らが候補となる。

リリーフ陣は、質量ともに豊富。抑えの森唯斗やモイネロの離脱があった中でも、甲斐野央の復帰や板東湧梧の台頭など、層の厚さで乗り切っている。ただ、表を見ると左腕がやや手薄な状況だ。関学大の黒原拓未や創価大の鈴木勇斗ら球に力のあるタイプを獲得して、その穴埋めを図りたい。
野手の高齢化対策は急務

捕手に関しては、甲斐拓也がほぼ全試合に出場しており、海野隆司、九鬼隆平と若手も育っている。昨年のドラフトでも高校生捕手の牧原巧汰を指名して育成中。栗原陵矢、谷川原健太の二人は打力を生かして他のポジションでの起用が前提となっているが、それでも今年補強する必要性は特に感じない。

内野はレギュラー陣の高齢化が顕著で、三塁・松田宣浩と遊撃・今宮健太の後継者を探す必要がある。ただ、年齢の分布をみると20代後半にぽっかりと穴が開いてしまっている。今季リチャードと三森大貴がようやく一軍のスタメン機会を得るようになったが、まだレギュラーを獲得するには至っていない。
三塁手は昨年、井上朋也を指名するなど人数はいるので、より候補の少ない二遊間の選手を今年は指名しておきたい。野口智哉(関西大)らスケールの大きな遊撃手が候補となる。

外野はグラシアルが怪我で離脱する中、柳田悠岐と栗原の二人が引っ張る形となった。ただ、こちらもレギュラー陣の高齢化が進む一方、若手の台頭が見られない。年代的にも22歳前後がやや手薄な状況なので、大学生外野手を獲得することが考えられる。
ソフトバンクらしくポテンシャルを重視するなら、上武大のブライト健太、神奈川大の梶原昂希ら身体能力の高い選手の指名がありそうだ。
※表の年齢は2021年の満年齢
※育成選手、引退及び戦力外が発表された選手は含まず(10月8日時点)
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